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英国諸島巡航(第1部)



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1999年8月9日(月)
前夜リーガ・ロイヤルホテル成田に一泊してBA008便の747でロンドンに向かう。

英国はサマータイムで日本との時差は8時間。西回りであるので時差ボケの影響は少ないが、座ったままで12時間は辛いのもがある。座席のスペースがもう少しあれば違うだろう。差額を払ってクラス変更しようにも満席である。
幸い、後の人が膝やつま先で座席をノックしなかったので辛抱できた。慰めは食事である。98年ノッチンガムに行ったときも感じたのであるが、BAの機内食は旨い。

機内で上映される映画を何本か見て居るうちに欧州に近づいた。

前回ノッチンガムに行った時は窓際の席だったので、日本海を渡って10時間以上延々と続くロシアの広大な大陸に見飽きた頃、水路や堀をめぐらしてフィンランド湾に臨むサンクト・ペテルブルクの街が見えた。久しぶりに見る街と海がとても鮮やかに見えた。

写真はそのときジャンボの窓から撮ったサンクト・ペテルブルクの街である。

サンクト・ペテルブルクを過ぎ、フィンランド湾上に出て西に向かう。首都ヘルシンキを過ぎてしばらくすると海上に小さな島々と、その間を結ぶ船の航跡が見えた。やがて島の数が段々と多くなり、夥しい数になった。
フィンランドは湖水の国として知られている。地図を見ると交通網は無数の湖沼を縫って張り巡らされていることが良くわかる。フィンランド湾とボスニア湾がバルト海に開く辺り、アハベナンマー諸島(オーランド諸島)に近いと思われる辺りでは無数の無人島が見渡す限り続いていた。素晴らしい眺めである。それにしても、この島の一つ一つに名前が付いているのだろうか?こんな多数の島々を見たのは初めてである。

腰が痛くなる頃、ジャンボはヒースロー空港に滑り込んだ。98年以来1年ぶりのヒースローである。この空港にはターミナルが4つある。ターミナル1はBAのヨーロッパ線と国内線、ターミナル2はBA以外のヨーロッパ便、ターミナル3はBA以外の長距離便、ターミナル4がBAの長距離国際線とKLM専用である。
沢山のBAの機体が駐機していた。機体の塗色は白でBAのトレードマークであるリボンマークが書きこまれている。オーソドックスなカラーリングである。目立つのは垂直尾翼で、直線で構成された大きな垂直安定板には様々な大胆な模様が描いてある。モダンな絵柄や、古典的な絵柄や、サイケデリックなもの迄実にバラエティに富んでいる。とにかくこの眺めを見ているとヒースロー空港に来ていることを実感出来る。
ここロンドンで一泊して、明日ティルベリーで「クリスタル・シンフォニー」に乗船する。
ロンドンの宿は「チャーチル・インターコンチネンタル・ホテルである。
横浜MM21のホテルの系列であり横浜のホテルほど大きくないが、落ち着いた風格を感じる。
場所はハイドパーク北東隅のマーブルアーチに程近いポートマンスクェアである。
実在の人物より有名なシャーロックホームズ探偵事務所のあったベーカー街はすぐ傍である。
空港からのコーチで19時に到着した。
ロビーにはチャーチル卿の額も掛かっており、雰囲気は悪くない。
部屋は5階である。部屋に入るとテレビの画面が我々の名前を表示して「ようこそ、当ホテルへ」とシャンパンの泡のはじける歓迎のメッセージで静かに歓迎してくれていた。

写真は同行のS夫妻である。
ダイニングがなかなか良い。シェフ、イドリス・カルドラの地中海料理とある。
テラスやチャーチル・バー、シガー・ディバンもあるので覗いてみたい気もするが、12時間以上のフライトのあとでもあり、明日は乗船するので早目に就寝する。

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1999年8月10日(火)1800ティルベリー(ロンドン)出航・ドレスコード:カジュアル
9時にコーチが迎えに来た。午前中、ロンドン市内観光をする。そのあと食事を済ませてテームズ河岸を下り、ティルベリーに向かう。
順調に行けば乗船港で宿泊する必要がなくてもフライ&クルーズでは普通、乗船港で一泊する。クリスタル・クルーズの場合も航空便で遅れた場合専用の電話番号も記載してあるが、やはり不測の事故に備えてそうしたものである。
従って市内観光とは言うものの体の良い時間つぶしのようなものだ。
ピカデリーサーカスのエロス像の傍を通るときにちょうど通りかかった大型貨物自動車に邪魔されて良いアングルを逸機して後姿しか撮れなかった。

走行中のコーチから紅茶の老舗の一つであるトワイニングの本店を見かけた。世界的ブランドのこの店は意外なほど小さかった。
コベントガーデンの傍を通ったときに昨年ここに来たときのことを思い出した。午後10時くらいだったろうか、パブに入る前にイタリー風レストランでパスタを頼んだが、これがちょうど日本の「焼きうどん」そっくりだったのを覚えている。
地下鉄の階段を上がったところで酔っ払いが寝ているし、真夜中になってもパブは満員電車のように客で込み合っているし、広場ではストリートミュージシャンがギターを抱えて歌っているちょっと不思議な雰囲気であった。
そのときは、この一角にあるロンドン交通博物館を見学することが出来なかった。
サボイホテルもコーチの窓から見えた。高級ホテルとして知られるこのホテルではホテルの裏手のテームズ河にサボイピアという専用桟橋を持っおり、レストラン船を運航している。
テームズ河には多くのピアがあり、遊覧船やレストラン船が運航されているが、レストラン船ではチャーリング・クロス・ピアから出ているバトー・ロンドン主催のものがある。
ディナークルーズのほかランチクルーズやサンデーランチなどもある。
所要時間は1時間から2時間半。費用はランチクルーズの21ポンドからディナークルーズの55ポンドとなっている。ディナーの場合、ジャケットとネクタイ程度は着用して行かねばなるまい。
このほか、係留船ではあるが「クィーン・メリー」と言う水上レストランもある。ウォータールーブリッジの直ぐ上流側で、テームズ河北岸に2頭のスフィンクスに護られてクレオパトラの方尖塔が建っている傍である。
このテームズ河畔は多くの記念艦船が係留されていたり、国会議事堂はじめ著名な建造物も点在しているので好きな散歩コースである。ただ、2000年の新年から稼動運転が予定されていた大観覧車は、よく当局が建造を許可したものと思う。
竣工検査不合格で新年には稼動出来なかったようであるが景観がすっかり変わってしまったのは残念である。
写真の船尾側に写っているのがウォータールーブリッジである。
バッキンガム宮殿へは、衛兵交代の時間を見計らって昼前に到着した。時間が近づくにつれて人も車もどこから湧いてたのかと思うほど溢れてきた。騎馬警官が交通整理に当たっている。ここは女王のもと女宰相を生んだお国柄であろうか、騎馬警官にも黄色い雨合羽を着た婦人警官がいた。
後方遠くからマーチが聞こえてきた。まだ路上の車両は多い。群集の隙間から赤い制服の色が見え隠れする頃、車両の交通が遮断された。ビクトリア女王の像の傍を通って衛兵が宮殿の中へ行進して行った。
昨年バッキンガム宮殿も見学したがそのときは衛兵交代の日ではなかったので実際に見学したのは今回が初めてであった。
ロンドン塔の対岸には記念艦として良く知られた巡洋艦ベルファストが居る。
前回はここロンドン塔から赤く小さなボートをチャーターしてベルファストに舷門から乗艦したが、実はこの艦は99年初夏、入渠して化粧直しをして戻ってきたばかりであった。出発のとき、ここに戻ってきているのかどうか判らなかったので再会を喜んだ。
その右舷にはあの「シーボーン・プライド」が接舷していた。写真はロンドンブリッジを通過中のコーチの窓からからポケット型ビデオカメラで撮ったものである。ベルファストもシーボーン・プライドもそれほど大きな船ではないがタワーブリッジを跳ねて通過する様は壮観だろうと思う。機会があれば一度は見てみたいものである。

ロンドンブリッジステーションに沿って川下に向かい、タワーブリッジを渡ってロンドン塔で最後の駐車をする。ロンドン塔は前回訪ねたので河畔からタワーブリッジや対岸の船を眺めていた。
HMSベルファストは戦争博物館の展示品の一つである。手入れは良い。真鍮の名板はピカピカに磨き上げられているし、20ミリ連装機銃の台座は子供の力で軽く旋回・俯仰する。艦内は見学コースが設けられており、艦橋にも主砲の砲座にも行ける。
イギリスではわが国ほど立ち入り禁止区域は設けられていない。"Own Risk" の考え方が徹底しているように見える。「ここは危険です」とか「柵がないから落ちる危険性があります」と言う表示は多いが「入っては行けません」とは表示されていない。
ここを出発すると我々のコーチは、あのポカホンタスの像のあるティルベリーに直行する。
コーチの車窓から純白のクリスタル・シンフォニーの船体が見えてきた。黒っぽいレンガ造りの建物にはロンドン国際クルーズターミナル/ロンドン港湾庁の文字が見える。国際クルーズターミナルと言うにしては寂しい、渡船の待合室のような風情である。
中には受け付けが出来ており、懐かしい制服のスタッフやウェイターが愛想よく迎えてくれた。早速シャンペンで乾杯する。
「飛鳥」の場合、デッキでもシャンペンは当然シャンペングラスでサービスされるが、クリスタルではプロムナードデッキで使用されるのは透明プラスチックの容器である。風のある日などプロムナードデッキで空になった容器がカラカラと音を立てて転がっていた。これもアメリカ的合理性なのであろう。
荷物を預け、記念写真のカメラに収まって本船の舷門に向かう。
キャビンはプロムナードデッキである。部屋は7073号室、右舷中央出入口に隣接している。ミドシップで、デッキから数ステップの段差があるので視界も良好な良いへやである。
間もなく、ここで世話になるルームスチュワデスが挨拶を兼ねて設備や備品の説明に来た。
この船には一昨年、メキシカン・リビエラ・クルーズで乗船して様子が判っている。いまは忙しいはずなので「有難う。宜しく。何かあったら頼むから」と引取って貰った。
この船のベッドのクッションは快適である。乗船客からメーカーを聞かれることもあると言う。スーツケースが来たので、衣類や靴類をワードローブに収めて船内探訪に向かう。

クルーズが始まればレセプション・メインダイニング・クリスタルプラザやクリスタルコーブのあるクリスタルデッキ、ギャラクシーラウンジ・カジノ・シアター・ビストロ・スターライトクラブ・ジェードガーデン・プレゴ・アベニューサロン・ライブラリ・ブリッジラウンジやキャプテンズチョイス・ファセッツ・アプロポス・フォトショップのあるティファニーデッキ、有名な展望ラウンジのパームコート・シーホースプール・ネプチューンプール・リドカフェやトライデントバー・アイスクリームバー・スナックバーそれに子供のゲームコーナーなどのあるリドデッキは毎日歩き回るが、ウィンブルドンパドルテニスコートのあるサンデッキには行き逢い船や入出港風景を見に上るほかは余り行くことがない。ここにはクリスタルスパやタラソテラピーなどもやってくれる美容室やマッサージ室などがある。パームコートやプロムナードデッキも含め船内を一巡してキャビンに戻る。
キャビンからターミナルが良く見える。出航時刻が近づいてくると制服のブラスバンドが演奏を始めた。とても寒い日であった。誰も見送りのいないターミナルで、デッキに人影のない客船を送るために演奏しているバンドの面々が寒そうで気の毒であった。
こうして「クリスタル・シンフォニー」の「英国諸島巡航クルーズ(British Isles Odyssey)・99年プレジデント・クルーズ」はスタートしたのである。
テームズ河を下ると北海を北上し、航行中2泊して北緯60度を越えたシェットランド諸島のラーウィックに最初の寄港をする。ここは小さな港なので錨泊し、テンダーで上陸する。ノルウェーの首都オスロやロシアのサンクト・ペテルブルクより北になる。極東ではオホーツク海の湾奥カムチャッカ半島の付け根に相当する緯度である。
乗船日の船内新聞「REFLECTIONS」は16頁建てであった。
一面トップに「クリスタル・シンフォニーへようこそ!英国諸島めぐりクルーズへ、99年度プレジデントクルーズに出航します」とある。
今次航のキャプテンはノルウェー人のレイドルフ・マーレン船長。個人的には最も好感を持っている髯のキャプテンである。
日本人スタッフとしてはメキシカンリビエラクルーズでお世話になり年賀状も貰った加藤副機関長のほか、木場副船長、小久江一等航海士、中谷一等機関士、それにコーディネーターの大杉敬子さんが乗務している。
ダンスタイム、ピアノ演奏、それにギャクシーラウンジの歓迎ミュージカルショーなどが紹介されているが、午後4時の出航でもあり、今夜はディナーのみでゆっくり明日からのクルーズに備えることにする。
メートルディのジョセフ・ウィドマー、ヘッドウェイターの一人アルバート・ファルカスも、一昨年のクルーズのときと同じである。我々のテーブルはクリスタル・ダイニングの中央部に一段高くなっている円形区画の船尾側サービスカウンタの近くである。良い場所である。担当のヘッドウェーターはディディ、非常に楽しい男である。ウェイターはダレクと彼のアシスタントが担当してくれる。ソムリエも何人か居るが初日から金髪の美人が我々の担当になった。
メートルディのウィドマーは今回プレジデントクルーズと言うことで10歳くらいの息子を乗船させていた。ヘッドウェイターのファルカス氏とは「飛鳥」初乗船のときからの知り合いであるが東欧出身ながら日本語が堪能である。メキシカンリビエラクルーズに行ったとき再会して、一緒に写真を撮ったりした家内が亡くなったと言うと「ご愁傷様です」と日本でもあまり聞く事のないキチンとした挨拶を貰ったことを覚えている。マルチリンガルで5カ国語くらい出来そうな気がする。

メニューにはボンボヤージディナーとある。
アペタイザにはジャンボシュリンプのサラダ、それにシェフのお勧めの蟹スープをとり、メインはスズキのフィレットにする。
ヘッドウェイターのディディは面白いだけでなくデザートなどテーブルサイドで見事なパーフォーマンスを見せてくれた。これからの楽しみが一つ増えた。

今回のクリスタル・クルーズの乗船券には乗船中のメールアドレスが "WilhelmFurtwaengler7@Symphony.CUatSea.com" (仮)と記載してあった。送受信は通信衛星を使うので有料である。安くはない。それにしても便利になったものだ。しかし、私は結果的には使わなかった。日本語のFEPが準備されているとは思えなかったからである(本船の乗船客の95%はUSAからで、その中でもカリフォルニアの人が多い)。もし日本語が使えたとしても使わなかったに違いない。クルーズ中はしばし世俗と縁を切って「非日常」を満喫したいと思っているからである。
通信分野の技術進展は目覚しい。私が初めてパスポートを取得して、瀬戸内海から東シナ海、マラッカ海峡、インド洋、喜望峰を廻ってアフリカの西岸まで丸一ヶ月無寄港で航行したときは、セイロン(スリランカ)の辺りから内地と連絡がとれなくなった。以前は電報を傍受した船舶が中継していたが海上における労働環境改善の一環として船舶各局の24時間当直が解除されて、直接交信に変わったから電波が届く範囲しか交信できなかったのである。
長く使われてきたモールス信号も1999年、公的には使われなくなってしまった。世界全体がゆっくりと、しかしながら確実に変わって行くのを感じる。
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1999年8月11日(水)終日航行日・ドレスコード:フォーマル
今日は、この海域では部分日食が見られると聞いたが昨日からの曇天であまり期待は出来ない。

ゆっくり起きてリドカフェに朝食に行く。フルーツもたっぷり採る。パパイヤが美味く、殆ど毎食のように採った。茹卵が5分と8分と用意されていて選べるのが良い。
デザートのコーナーも卵料理などのコーナーも近づくといろいろ勧めてくれる。 ジュースやコーヒー・紅茶など飲み物までトレーに取るとウェイターがテーブルまでサポートしてくれる。ウェイターはアメリカ・イタリーなど欧州系のほか、フィリピンや中国からの人もいる。国際色豊かである。
始め5分卵を採っていたが殻を剥くとき壊れやすいので途中から8分卵にした。卵焼きやスクランブルは頼むとすぐにテーブルまでもってきてくれる。食器もウェッジウッドである。
明るい窓際のテーブルも、一段高くなったインサイドのテーブルもよい。今日は曇天であるが晴れた日にはオープンデッキに出るのも良いものである。
我々はリドビュッフェが気に入ったので朝昼はここで食事をとることが多くなった。

今日は出港翌日なので乗船客のライフボートドリルがある。
「REFLECTIONS」によると予定時刻は10時である。ライフジャケットはルームスチュワデスのマイカから窓際に設置されたソファーのシートの中にあると教えられていた。
やがて、船内放送と短7声長1声の非常ベルが鳴る。我々のキャビンはプロムナードデッキに出る右舷側中央出口に隣接しているので都合が良い。
部屋の窓からデッキで配置に着いているオフィサーの姿が見える。ジャケットを着用して通路に出るとマイカがボートステーションの方向を誘導している。
点呼が始まり、ブリッジからの放送でボートドリルは終了した。

ここで、今日の「REFLECTIONS」からイベントを紹介してみる。
0800カソリックミサハリウッドシアター
0800ウォーカーソンプロムナードデッキ
0830フィットネス教室「エアロビクス」クリスタルスパ
0900コンピュータ講座「インターネットとWWWについて」ハリウッドシアター
0900キャプテンの新航海情報船内放送/チャンネル53
0905〜0950初心者向けブリッジ教室ブリッジラウンジ
1000乗船客の避難訓練プロムナードデッキ
1030パドルテニスレッスンウィンブルドンコート
1030ブリッジ教室ブリッジラウンジ
1030クイズタイムビストロ
1030ダンスクラススターライトクラブ
1030寄港地紹介とビデオ上映ギャラクシーラウンジ
1030フィットネスクラス:ボディーコンディショニングクリスタルスパ
1100トリビア!アベニューサロン
1130〜1230チャーリー・シェーファーのピアノ演奏クリスタルコーブ
1130ジャックポットビンゴスターライトクラブ
1230〜1330マニラダイヤモンズの演奏シーホースプール
1330教養講座「英国について」スターライトクラブ
1330アートプレビューアベニューサロン
1400アートオークションアベニューサロン
1400シャッフルボード・輪投げプロムナードデッキ
1400ジンラミープレイヤー集合リドガーデン(右舷側)
1400美容デモンストレーションクリスタルサロン
1400〜1600デュプリケートブリッジブリッジラウンジ
1430図書室オープンライブラリ
1430アート・クラフト教室(ビーズのブレスレット)リドガーデン(右舷側)
1430映画「The Out of Towners」ハリウッドシアター
1430ダンスクラススターライトクラブ
1500卓球サンデッキ
1530教養講座「ヨーロッパ21世紀の地政学」ギャラクシーラウンジ
1530〜1630アメリカ風午後のティータイムパームコート
1545ジャックポットビンゴスターライトクラブ
1630フィットネスクラス(ステップ)クリスタルスパ
1630ビル W.の友人達ジェードガーデン
1700フィットネスクラス(ストレッチ&リラックス)クリスタルスパ
1730&1945キャプテン主催ウェルカムパーティスターライトクラブ
1730〜1830ジェフ・ウォルタースのクリスタルピアノ演奏クリスタル・コーブ
1945〜2045
1730〜1815チャーリー・シェーファーのピアノ演奏アベニューサロン
1945〜2030
2030&2245プロダクションショーギャラクシーラウンジ
2030&2230映画「The Out of Towners」(1時間42分)ハリウッドシアター
2130〜2230ジェフ・ウォルタースのクリスタルピアノ演奏クリスタルコーブ
2130〜0030チャーリー・シェーファーのピアノ演奏アベニューサロン
2230シガークラブコノシュアークラブ
2130〜0100ダンスタイムスターライトクラブ

とても付き合ってはいられない。結局この日参加したのはウェルカムパーティのほかはジャックポットビンゴくらいで、時々パームコートで北海を眺めたり紅茶を楽しんだりのんびりしていた。クルーズはこれからである。のんびりゆったりクルーズを楽しもうと思う。

昼はリドデッキのネプチューンプール周辺でデッキランチであった。赤い中華風のビーチパラソルを並べ、ローストビーフやサラダ、スープやヌードルなど中華を主体とする屋台が何列も並んでいる。ウェイターは中国風な衣装で派手なフルーツのデコレーションとともにムードを盛り立てている。
本船のギャレーには世界各国から集まってきたコックやシェフが居る。エグゼクティブシェフのほかゲストエグゼクティブシェフやデザート専門のシェフも乗船している。
食材も航行海域によって種類豊富に搭載しているようである。
ここネプチューンプールの周辺にはハンバーガーやホットドックなどを用意したトライデントバー、多彩なバリエーションのアイスクリームが用意されたアイスクリームバーもある。
結局、この2週間のクルーズでは利用する機会を逃してしまったが・・・。
飲み物も、ビールで言えばギネスやキルケニーなどアイリッシュビールから青島ビールやキリンなど各国のものが用意されている。
乗船客の大部分を占めるアメリカ人達にも大変好評であると聞いた。 メニューが多いので目移りするが、それに気をとられているとワゴンで皿にのせてくれる量が多いので食べきれなくなることもある。
どうも我々と欧米人を含めた外国人とでは食事の量が明らかに違うようである。
勿論、クリスタル・ダイニングルームも利用可能である。
クリスタル・ダイニングの場合、夕食はファースト・セカンドとツーシーティング制を採っているが、朝と昼は自由席である。
人によっては、自分の部屋で静かな食事を希望することもあろうと、ルームサービスも24時間対応している。
この場合メニューは当然ながら時間帯によって変ってくる。
この日のウェルカムパーティはブラックタイにする。同行の娘はファンシータキシードである。
予定時刻の5分前に画廊になっているスターライトクラブ前の通路には既に10組程度の正装の紳士淑女が和やかに談笑していた。タキシード着用率もシニア/グランドシニア率も殆ど100%である。97年のメキシカンリビエラクルーズのときと較べても相当に平均年齢は高いように見うけられた。
やがて時間になり、ドレス姿のソーシャルホステスが一人一人名前と出身地を聞いてキャプテンに紹介する。このクルーズは99年プレジデントクルーズとなっているので社長のワッターズ夫妻も入り口で歓迎の挨拶をしている。
少々時間が掛かるのでステージではマニラダイヤモンズが演奏しダンスタイムとなっている。レディーの中にはダンスタイムが楽しみで乗船する人も居るようである。

我々もキャプテンマーレンと社長夫妻と招待お礼のご挨拶をし、握手をして記念写真に収まった。

我々は前年イギリスに滞在してすっかりここが好きになってこのクルーズに申し込んだのであるが、それが偶然にもプレジデントクルーズになっていたのである。

申し込んだあと、社長と一緒に名門コースでゴルフをしませんかとお誘いがあった。折角であるが申し込まなかった。予定や約束に拘束されずにクルーズを楽しみたかったからである。
着席してこのクルーズに参加出来たことを祝って二人でシャンペンで乾杯した。

しばらく経って髯のキャプテンの歓迎挨拶が始まった。

それに続いて、ワッターズ社長が挨拶する。
副船長・機関長・ホテルマネジャー・クルーズディレクターなどシニアスタッフの紹介でパーティはお開きとなる。
本船では船長のほか、副船長が二人(Vice Captain, Deputy Captain)、機関長のほかに副機関長が二人(Assistant Chief Enginerr, Deputy Chief Engineer)、チーフオフィサーも二人乗船している。それぞれ、船長・機関長の資格を持っている。

ここで紹介された中に日本人オフィサーには木場デュプティキャプテンがいた。

ティファニーデッキのスターライトクラブからクリスタルデッキのメインダイニングに移動する。これからキャプテンのウェルカム・ガラ・ディナーが始まるのである。お年寄りやハンディキャップのある人も含め数百人の乗船客がデッキを移動するときは渋滞などが起きると混雑し、ダイニングの時間が遅れる可能性もあるので基本設計時に一般配置に腐心するところである。
本船の場合、中央エレベータ群の3基のエレベータの向かい側に幅が広く、足元に照明の点いたダブルの階段があり、踊り場もゆったりしているので混雑することはない。

ウェルカム・ガラ・ディナーであるが、メニューにはマーレン船長の歓迎挨拶のほかにレストラン支配人ジョセフ・ウィドマー、総調理長ガンター・ローレンズの名前が見える。何れもメキシカン・リビエラ・クルーズの時にお世話になった。特にエグゼクティブ・シェフのローレンズ氏には忙しい時間にギャレーツァーを案内して貰った。
この日、我々のテーブルではシャルドネを1本貰ってこのクルーズの前途を祝った。
バースデイとかアニバーサリーのテーブルでは風船やトリオ・コーラスで祝福されていた。なかなか盛り上がったディナーであった。