台湾の農家は日本のように木造ではなく、煉瓦建てである。
基本的に中庭を囲んでコの字に建てられる。
正面には正廳があり、神々や祖先を祀っている。
正廳を背に左側に家族が住む。
そして弟は右側に住むことになる。
この挿絵は加藤嘉子さんの「古老的台北地図」の左下余白に描かれたもので、右には未だ建屋が建っていない。
名古屋の近郊、犬山に明治村として、古い日本の建造物を移築したテーマパークがある。これを国外に拡張したのがリトルワールド(http://www.littleworld/)があり、ヨーロッパではドイツ、フランス、イタリアなど、アジアではインド、ネパール、トルコ、タイなど世界各国の建物が移築され、関連する店も出している。
そのなかにある台湾の農家も典型的なものである。
見学に行ったときは、中で手仕事をしていたり、実に懐かしい思いをしたものである。
挿絵では、中庭に鶏が飼われ、手前にはパパイヤ、背景には椰子が描かれている。
弟が所帯を持ったら右側に建て増しされ、コの字型になるのであろう。