淡水の真理街15號(地名:砲歩埔)にある小白宮(清朝税関総税務司令邸)は1997年に三級古蹟に指定されている。
天津条約で淡水が開港された翌年、滬尾の水師守備署を税関公署にしたが、清朝では税務官を外国人に委ねていたので、イギリスの公爵が初代の税関吏に任命された。
その後、数年経って回廊式建築が建てられた。ここには白壁の平屋や赤煉瓦の2階建てなど三棟があり、聖ドミンゴ城駐車場の前方にあたる場所には3層建ての豪奢な官邸も建てられていたというが今は跡形もない。
当時、淡水は台湾の総税関であったが後年、基隆港が整備されると淡水税関は基隆の支署となり、その後官庁の招待所や迎賓館となった。
戦中から戦後にかけて淡江中學の学生寮になったりしていたが、その後は荒廃し、一部は公会堂洋館の焼け跡と同じく、お化け屋敷「鬼屋」になっていた。
1990年代に廃棄されることが決まったが、残された建屋は地元有志や学者の奔走で古蹟として残されることになった。
淡水で有名な銘菓本舗の三協成はいくつかの淡水の名所について挿絵入りの資料を作っているが、小白宮については台湾語、日本語、英語のほかドイツ語でも2ページの解説を発行している。
いつか、翻訳したいと思っている。