馬偕博士の頭像が立っているロータリーは淡水のメインロード中正路と三民街の交差点である。
戦前、この辺りは龍目井と呼ばれ賑やかな通りで、このロータリーのことを小公園とか三角公園とか言われていた。
2009年3月に淡水を訪れたときは、ここに父や安武先生が住んでいたとは知らなかった。
それどころか、自分の生まれた淡水公会堂が何処に建っていたのかさえ知らずに、滬尾砲台(臺北縣立淡水古蹟博物館)のガイドさんに尋ねたものである。
その龍目井の小公園の一角にオカリナ専門店があった。
グーグルストリート(2012年3月撮影)で見るとシャッターは降りているものの「是誠陶笛」の看板は当時のままである。
店員さんにことわって撮らせて貰った写真である。
大きな陳列棚2面のほか、カウンターにまでいろいろな陶笛が並んでいた。
水牛型の陶笛を買ったら小冊子をつけてくれた。
成形、調整、着色、窯焼まで工程を詳しく載せている。
冊子には吹き方の基本、第1課から第8課までにわたる練習方法、それに4十数曲にも及ぶ数字譜もある。
もちろん中国の歌も多いが「キラキラ星」、「カッコウ」、「ロンドン橋」、「レッド・リバー・バレー」、「アメージンググレース」、「ジングルベル」、「荒城の月」、「タイタニックのテーマ」、「カプリ島」、「ドレミの歌」など聞き知っている曲も多い。
そのなかに「送別」があった。
これはジョン・P・オードウェイの"Dreaming of Home and Mother"、日本では「旅愁」として知られている曲である。
漢字で表記された曲名から憶えている曲を探すのも面白い。