淡水の集落は、河の右岸に沿って長く延びていた。
駅から龍目井のあたりまで、およそ1キロくらいあった。
健康な人は歩いて行く距離であったが足腰の弱い人や急ぐ人は人力車を使っていた。
駅前や小公園には客待ちの人力車が客待ちをしていた。
当時、舗装道路は限られており、踏み固められた道であったので、自転車や人力車はゴトゴトして楽ではなかった。
そのため、人力車には車軸と客席の間に緩衝のために大きな重ねバネがあった。
車輪は多少、ゴトゴトしても客の座席に伝わる衝撃をやわらげることが出来る。
後に、自転車の横や後に乗せる自転車タクシー(略称:輪タク)も出来たが舗装していない道では人力車の方が乗り心地が良かったに違いない。