淡水にも地元の漁民が操業しているが、これらは沿岸で漁を行うもので魚屋の店頭で売られたり、すりつぶして淡水名物の魚丸にされる。
しかし、どうも東海に面した宜蘭縣あたりでは様子が異なるらしい。
下の『』内は網友のHさんの電子メールから抜粋したものである。
『……蘇澳の南澳漁港に行って海鮮料理に満足した話に関連するが、漁港の数百米沖合いに大型漁船みたいなのが何隻も描舶中なのが望見される。
最初は気にも留めなかったが、食事をしながら眺めていると船の大きさに比べ乗ってる人数が異常に多い。それも甲板上を引っ切り無しにうろうろ行きかっている。
変な船だな?…と食堂の親父に聞いてみたところ、「ア〜あれは大陸の奴等だよ」あっさり答えた。
後で調べて判ったのだが、これは台湾の網元に雇われた中国の出稼ぎ 漁民達なのだ。
台湾でも経済の発展に伴い3K労働に従事する若者が少なくなり、特に危険できつい漁業の仕事は成り手が居ないのが現状だ。
それの穴埋めの為、大陸からの出稼ぎをつれてきて働かせる。
彼等も台湾に行ったほうが稼ぎになる…両者の利害が一致して大陸出身漁師が誕生したと言う訳だが、台湾当局はその様な大陸からの働き手を認めていない。
だから入国ビザは出ない。ならば上陸して台湾の土を踏ませなけりゃ違法にならないだろうと言う事から、沖合いの船で生活させ、出漁時各漁船に乗せ帰港する際は、また沖合いの船に戻す。
これを繰り返しているのだが、狭い船内に閉じ込められた彼等の生活環境は劣悪で病人も多く発生していると聞く。
領海内で台湾船籍だから、例え上陸しなくとも入管法に触れるのは明瞭だけど、台湾漁業関係者の生活も有るので当局も見て見ぬ振りをしているのが現状だ。
これがもし日本だったら規則一点張りのお役所は絶対認めないだろう。
お国柄とは言え杓子定規と緩やかな法の運用。どちらが正解か?考えさせられる問題では有る。』
ちなみにHさんは頻繁に現地に行き、しかも現地の人と間違えられるほど会話にも堪能である。
そういえば、中国漁船が大挙韓国水域で操業しており、検挙に向かった官吏に切りつける事件が報じられていた。
総括して、著しい経済発展と言われる中で格差が広がっているのであろう。