まれに二胡のことを胡弓と呼ぶ人がいる。
しかし、胡弓は二胡とは全く違う。
むしろ三味線に近い。
弦の数も、弓も二胡とはまるで別物である。
胡弓は、「おわら風の盆」で踊り手と一緒に夜の明けるまで町を流すことで知られている。越中おわら節の調べの流れる富山県の八尾町は、9月1日から3日の間に25万人の観光客が押し寄せるという。
小学生の頃、神楽の楽団のなかに胡弓があることは知っていた。
しかし、リズムもメロディもなく、やたらキコキコとやっている物だと思っていた。
あの悲哀溢れるメロディを奏でることの出来る楽器であると知ったのは随分後のことである。