久しぶりに淡水に帰った人は、街もすっかり変わったという。
戦前から市場のあった老街の辺りは道路も拡幅され、すっかり舗装された。
英国領事館手前の漁港の辺りから公会堂の前に上ってきた坂道は立派なバイパスとして新しい中山路となって公会堂の跡に建った文化センターの裏を貫通し、大きな煉瓦建ての淡水幼稚園の建っていた跡地を通っている。
木造の郵便局は取り壊され、大きなビルが建ち並び、ランドマークであった長老派教会も表通りから目立たなくなった。
しかし、ちょっと路地に入ると70年前そのままに残っているところもある。
淡水鎮は一年前に新北市淡水区になったが、街長旧居や木下画伯の住んでいたところも、中野金太郎氏の邸宅も龍山寺と祖師廟や福佑宮などと清水街にあった施家のあと等、淡水の古蹟整備に熱心な区公所によって修復が行われている。
カリフォルニアに住むLCさんが渡米30年後に帰って、淡水の変貌に驚いたと言っていたが、戦前から残っている小径から当時の建物の復元図を描いて私達を驚かせてくれた。
古蹟を整備・保存することはありがたいことである。
往時の写真を皆で懐かしむことが出来るように整理したいと思っている。