台湾の花というと胡蝶蘭を思い出す人が多いようであるが、私はハイビスカス(仏桑華)がまず頭に浮かぶ。
台湾のハイビスカスはハワイの花のように大きくはない。
生け垣などに植えられていて、日が射すとと開くが陰ると花を閉じる。
台湾の仏桑華には、品種改良されて、下向きに咲き、花弁が反り上がって真ん中に長い雌蘂が下がってちょうど支那提灯を思わせるものがある。
友人たちとインド旅行の帰りに仲間の一人が病気になり、それに付き添って台湾で下船し、淡水の地が気に入って家族を呼び寄せて終戦まで滞在し引き揚げ船で帰国した木下静涯画伯もよくこの華を描いていた。