戦前の淡水線には木材業社、施合発の引き込み線があった。
そこから竹圍寄りに、マングローブに接してやや河に張り出した地形となっていた。
そこは鼻頭村と呼ばれ、黄東茂氏の豪邸があった。
岡の上にあった華麗な邸宅は、中世紀風の2階建て洋館で、テニスコート、プール、自家用車などカリフォルニアにあったアメリカの新聞王ハーストの邸宅「ザナドゥ」の淡水版を思わせるもののようであったらしい。
しかし、日本統治時代に黄氏の邸宅は移転させられ、その跡地に測候所や水上機の基地が設けられ、鼻頭村はなくなった。
いま、MRT淡水車站の地下に設けられた道路に鼻頭街の名が復活している。
地図で見ると中正東路と學府路の交差点からMRT線の方向に鼻頭街と表記してあり、駅のプラットホームに平行な地下道となっている。