カリフォルニアのLCさんが戦前建っていた公会堂の位置を特定してくれた。
1945年に米軍が撮影した航空写真と、現在グーグルが提供している地図と同スケールの航空写真を比較して正確な位置を割り出したのである。
しかし、2つの写真を重ね合わせるには角度を回転させ、縮尺を調整しなければならない。
LCさんがそのとき縮尺の基準にしたのは、長老派淡水教会の屋根の長さが21.5メートルであることであった。
そして、拡大/縮尺の基点に選んだのが、公会堂から馬偕博士旧宅に曲がる坂道に降りる階段の踊り場であった(このブログで5月15日に載せた「淡水名勝要覧圖」の描かれている階段)。
そうして両航空写真を重ね合わせて、洋館の幅を13.5メートル、長さを16.13メートル、面積を220平方メートルであることを割り出した。
さすがシビルエンジニアである。
この洋館はLCさんも書いているように学校の学芸会や、野球などスポーツの祝勝記念会や、街営の講習会などに多用されたようでいくつかの写真が残っている。
それだけでなく、結婚披露宴にも多く用いられた。
私の両親も台湾神社で挙式したあと、洋館で披露宴を行っているし、ボストンの鄭先生の親族の結婚記念写真も、横浜のKGさんのご両親の結婚写真も見せて貰った。
日本式の宴会は本館1階の畳敷きの広間で、中華料理の宴会は洋館で行われており板前さんや司厨が何人も居たという。
本館の広縁からの眺めは素晴らしかった。本館階下には撞球台もあったと言うが私は覚えていない。
公会堂は我々、淡水生まれにとっては懐かしい場所なのである。
いまは淡水の幹線道路、中山路になっているが公会堂本館の裏には木立があり、洋館の横には稲荷神社があった(下図参照)。
LCさんのおかげで当時を偲ぶことが出来るようになった。
有り難いことである。