MRTの終着駅「淡水」の手前が「紅樹林」である。
紅樹林とはマングローブのことで、淡水河沿いにあるマングローブ保護地区のひとつである。
紅樹林駅の傍に「紅樹林生態展示館」がある。
2008年1月に訪台したときにここを訪れると係員が館内をざっと説明したあと木道の入り口まで案内してくれた。
立派な木道が設置されている。
ヒルギが生え、蟹やムツゴロウのようなトビハゼが泥の上におり、水鳥がそれらを狙って歩き回っている。
このあたりに居る蟹は片方の手(はさみ)が大きく、これを振り上げる姿が潮を招いているようだにも見え、シオマネキという別名を貰っている。
遊歩道の途中に置かれているベンチにもそれがデザインされている。
これがマングローブを構成する植物で、ヒルギと呼ばれている。
葉の下に下がっているのが実で、その形から水筆という。
先が尖っていて、泥質の川底に刺さって流出を防ぐのである。
そうしてそれが芽を出しマングローブが維持される。
このようにして紅樹林の自然保護区は保全されている。
木道は途中から自転車道に合流し「淡水」駅まで続いている。
淡水駅の近くには杭上集落も残っている。
背後の建物は穀物などを扱っていた貿易商人の建てたものであろう。
淡水駅の河岸は広い公園になっているが、そこにも根を下ろしていた。
沖に小さな洲が見えるが、戦前は小島のように大きかった。
土砂の堆積が著しく、明治末期には開設されていた淡水・厦門、淡水・福州航路も廃止を余儀なくされた。