2013年03月06日
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飛行船に乗り物酔いはない
幸い私は乗り物酔いには比較的強い方であるが、弱い人は乗用車でもバスでも酔うのは辛いものである。
長距離の航空機など気分が悪くなっても逃げ場がない。
ところが両大戦間の一時期運航された硬式飛行船は大西洋を何十回も横断航行(「グラーフ・ツェッペリン」は65往復130回、「ヒンデンブルク」は18往復37回)しても一人も酔うことがなかった。
汽船による航海の半分以下(2泊あるいは3泊)で大西洋を横断することよりも乗り物酔いをしないことが魅力だったという。
「グラーフ・ツェッペリン」の世界周航時、フリードリッヒスハーフェンから東京(霞ヶ浦)まで乗船した、大阪毎日の圓地與四松がテンペルホーフからシュトットガルトまでユンカースの旅客機に乗ったところ、前席に座っていたアメリカ婦人が離陸後楽しげに笑っていたが、寄港地のライプチヒを離陸した頃から乗り物酔いで床の上を転がりながら泣いていたという記述がある。
今のジェット旅客機はそれほどでもないが酔う人もいる。
飛行船の魅力は決して酔わないことであったという。
冒頭に「幸い私は乗り物酔いには比較的強い方である」と書いた。
インド洋を航行しているとき、11万トンの大型専用船で、二等機関士が船酔いで当直につけなかったときにもキャプテンのテーブルで食事をしていたものである。
ただ、一度だけドックに浮いていた艤装船で、あるかないかの微妙な揺れに気分が悪くなって岸壁に上がったことがある。
もちろん、2007年にフリードリッヒスハーフェンで「ツェッペリンNT」に乗船したときは快適そのものであった。
遊覧飛行を含む観光旅行は、精密探査や救難とともに飛行船に向いた用途であると思う。
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