2013年01月09日

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村上陽一郎著「新しい科学論」

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先日、村上陽一郎氏の「あらためて教養とは」を読んで、氏の著書が読みたくなって書斎を探したら、ブルーバックスの標記の本が見つかった。

この新書版は、序章(科学的なもの、人間的なもの)、第一章「科学についての常識的な考え方」、第二章「新しい科学のあらまし」からなる。

第一章では、これまで広く常識的に信じられてきた科学観を総括している。
そのあとで第二章では、一転してそのような強固な常識となっている考え方を切り崩し、新しい科学の視座への導水路を構築している。

そして、著者は「いずれにせよ、この本に書かれたことは、結論というよりは、問題提起です。この導水路を通った方がたが、もっと豊かな議論の水流を導いてくださり、やがて、満々たる新しい湖、瑞々しい稔りをたたえた科学観の世界を切り開いてくだされば、著者として、これほどの喜びはありません。」と結んでいる。

前にもそう感じたが、再読しても改めて「目からウロコ」の感をぬぐえない。

著者の専攻は科学史哲学というが、チェロの演奏は趣味の領域を越えていると言われる。

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