2012年08月10日

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1929年の夏

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1929年7月22日、処女航海でニューヨークに向かっていた北ドイツロイドの新造客船「ブレーメン」は、400km手前で上部構造中心線上に設けられたカタパルトからハインケルHe12型水上機を発進させ、郵嚢をニューヨーク港へ届けた。

その後、同港へ入港した同船は、北大西洋横断速度記録を更新し、長年保持していたキュナードからブルーリボンを奪還した。

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同年7月25日には、スイスのアルテンハインで建造された巨大な全金属単葉飛行艇が初飛行を行った。
同飛行艇は、ツェッペリン・コンツェルンのドルニエ博士が開発した、旅客72名を乗せて航続距離1600kmを目標とした渡洋飛行艇であった。
12基のエンジンを主翼上に前後対にして搭載したため、冷却が不完全で実用にはならなかったが、その構想たるや壮大であった。

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同年8月1日に、フリードリッヒスハーフェンを離陸し、世界周航の起点であるニューヨークに向かい、同月8日から29日までに乗船料4万マルクで旅客を乗せて航空機による初めての世界一周を完遂した。

客船と飛行船と飛行艇の競合する実に面白い時期であった。

世界大戦で打ちひしがれたドイツの技術に世界が注目していた。

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