2012年03月12日
タバコカードアルバム
タバコカードと言っても知らない人が居るかも知れない。
タバコの自動販売機で買う者を識別するタスポではない。
戦前、紙巻きタバコは今のような硬めの紙箱ではなく、普通の紙で包装されていた。
このタバコをポケットに入れておくと、すぐにボロボロになってしまう。
それを防ぐために両側に厚手の紙を入れた。
はじめは無地の紙であったが、タバコの宣伝が印刷された。
それに美人画や、婦人/軍人の服装、乗物などが印刷されるようになった。
切手のコレクションは以前からあったが、それに比べると大きさも手頃で、タバコカードもコレクションマニアの蒐集対象になった。
船や自動車、飛行機などのシリーズが次々に現れた。
1929年に旅客用硬式飛行船「LZ-127:グラーフ・ツェッペリン」が世界周航に成功すると飛行船の写真がタバコカードになった。
そのカードには番号が付けられ、それを貼るためのアルバムも発行された。
このツェッペリンのタバコカードアルバムは、引き続き第2集、第3集、第4集も発行されたが、第3集(「LZ-129:ヒンデンブルク」)が発行されて間もなくレークハーストの惨事が起こり、すぐ回収されてしまった。
そのため、第3集と第4集(「LZ-130:グラーフ・ツェッペリン(Ⅱ)」は現存するものが極めて限られ、オークションでは高値で取引されている。
このアルバムには264枚の写真と、1枚の箔押しされた銀紙の記念カードが貼り付けられているだけでなく、小さな活字で飛行船開発の歴史から世界周航の航程、船内細部などの解説が掲載されており、ツェッペリン飛行船製造社の監修を受けている。
カードになった写真を眺めるだけでなく、この解説文を読むと一般書では見たことのない記述もある。
独文であるが、これをこのまま眠らせるのは惜しいので本文を邦訳することにした。
逐次「航空事業の開拓者」に掲載しようと思っている。
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