2011年08月25日

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インゼルホテル

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インゼルホテルはコンスタンツの湖畔に建つホテルである。

1235年にボーデン湖の小さな島にドミニカ派の修道院として建てられたが、18世紀末から約1世紀にわたって木綿の繊維工場となっていた。

19世紀のはじめにツェッペリン伯爵家の屋敷となり、飛行船を発明したフェルディナンドはここの湖畔に面した部屋で生まれた。

1875年には高級ホテルとなり、いまはシュタイゲンベルガーのインゼルホテルとなっている。

1899年7月にカール・ベルクの娘が新婚旅行でこのホテルに宿泊していた。
カール・ベルクは、1889年にパリ万博で新しい素材アルミニュームを知り、リューデンシャイデにアルミニューム工場を建設した事業主であった。

アルミニュームの製造は始まったものの、その売り込み先を探して悩んでいたベルクはボヘミア人シュヴァルツが建造を目論んでいた飛行船の構造材料として無償提供していた。
シュヴァルツは、その飛行船の試験飛行直前に客死してしまい、未亡人メラニエがベルクと契約を結び、1897年に試験飛行は実施されたが失敗に終わっていた。

ツェッペリン伯爵はベルクを訪ね、飛行船の建造を持ちかけるがシュヴァルツ未亡人との契約があり、話は難航していた。

結局、ツェッペリン伯爵は飛行船建造毎にシュヴァルツに技術利用料を支払うことになった。

そして伯爵が飛行船製造社と、それを運行するDELAGの経営者として招いたのがベルクの娘婿にあたるアルフレート・コルスマンであった。
このコルスマンがいなければ飛行船の時代は来なかったに違いない。

2人が初対面したとき伯爵61歳、コルスマン26歳であった。


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