2011年02月16日
飛行船四方山話(210):居住区を初めて主船体に設けた飛行船
[区分] 設計・居住区
[難易度] 初級
[問題]
旅客用硬式飛行船で、乗客の居住区を初めて主船体内部に設けたのは次のうちのどれでしょうか?
1.LZ120「ボーデンゼー」
2.LZ129「ヒンデンブルク」
3.LZ130「グラーフ・ツェッペリン(Ⅱ)」
4.R100
[答] 4
[解説]
遊覧飛行船ではなく、定期航空路用旅客飛行船として初めて運航された(フリードリッヒスハーフェン・ベルリン=シュターケン間を4ヶ月で30往復以上航行したほか、ストックホルムなどを訪問)のはLZ120「ボーデンゼー」でした。
流線型船体、主船体に固着された操縦・旅客用ゴンドラ、小さなギャレーながらウェイターによる軽食や飲み物のサービスなど近代的飛行船のプロトタイプと評価されています。しかしながら姉妹船LZ121「ノルトシュテルン」とともに連合国側に賠償として引き渡されました。
LZ127「グラーフ・ツェッペリン」はツインキャビンを10室備えたLZ120型、LZ126の拡大版といえる旅客用飛行船でした。しかし、操縦室と一体化された旅客用ゴンドラでは乗客用区画として手狭でした。
それでツェッペリン社の建造した本格的旅客用飛行船LZ129「ヒンデンブルク」では主船体内中央部にA,B2層のデッキを設け、旅客用キャビン、ダイニング、ラウンジ、バー、喫煙室などを設けました。
しかし、戦勝国側のイギリスではこれに先だってR100と、ほぼ同仕様のR101を建造し、LZ127の世界周航の直後に両船を初飛行させました。
R100は船体内部に3層のデッキを設け、100人分の乗客用キャビンや2層抜きのダイニングなどを備えていました。
しかし、1930年にR101がインドに向かう航行でフランスの丘陵に激突炎上してイギリスの飛行船史は終わりました。
"飛行船四方山話(210):居住区を初めて主船体に設けた飛行船"へのコメントはまだありません。