2011年02月15日
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「R100」のカナダ遊覧飛行
ヴィッカースの子会社、エアシップ・ギャランティ社で建造された「R100」は1929年12月16日に初飛行を行った。
カナダ、エジプト、南アフリカ、インド、オーストラリアなど英連邦諸国を連絡するために、官営飛行船工場で建造された「R101」と競合して開発された飛行船であった。
長さ216メートル、最大直径40.5メートル、ガス容量14万立方メートルで、6基のエンジンは3基のエンジンゴンドラにタンデムに装備され、乗客と乗員の居住区はすべて主船体内部に設けられていた。
乗船客定員は100名、数十名の乗務員のほか手荷物、郵便物、貨物を搭載することが出来た。
居住区は3層構造で、ダイニングは2層吹き抜けで中段中央に配置され、そのまわりには歩廊がめぐらされていた。
1930年7月末にカナダを訪問し、79時間の航行のあとモントリオールの近くに着陸してカナダの来賓を乗せてオタワ、ナイアガラ瀑布、トロント、キングストン上空を遊覧飛行した。
8月14日にイギリスに向けて復航に発ち、57時間半で帰着した。
ヴァーネス・ウォリス技師の設計したこの飛行船は成功作であると見なされたが、同年イギリスに向かった「R101」がフランスの丘陵に墜落炎上したため、「R100」もその後乗客を乗せて航行することはなく、1931年11月に解体されてしまった。
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