2011年01月31日

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飛行船四方山話(206):飛行船への飛行機の発着試験

ZRS4_N2Y_1.jpg

[区分] 運航・航行

[難易度] 上級

[問題]
硬式飛行船を運用していた英、米、独では飛行船から飛行機を発進させたり、空中で飛行船に飛行機を収容する実験が行われていました。
第一次大戦のエースとして名をはせたウーデットは航行中の飛行船から発進し、また同船にフックで着船する実験を行いました。
この実験はいつ、何処で行われたのでしょうか?

1.1918年11月6日
2.1929年7月3日
3.1931年10月27日
4.1937年4月27日

[答] 4

[解説]
エルンスト・ウーデットが飛行船「ヒンデンブルク」につり下げた小型飛行機から発進実験を行ったのは同船竣工翌年の1937年4月27日(於ラインラント)でした。
そのあと「ヒンデンブルク」は着地し、今度は空中でフックオンテストを行いました。
何度か失敗してやっと引っかけられたようです。
ギネスブックによれば1918年11月6日に硬式飛行船「R23」のフックに戦闘機ソッピース・キャメルを掛けて上昇し上空で離脱に成功しています。
1929年7月3日には米海軍が建造する新型硬式飛行船「アクロン」に防御用戦闘機を搭載する計画のために、「ZR3:ロサンゼルス」にフックを取り付けてヴォートVO-1型複葉観測機をフックオンさせています。
そして、1929年10月27日には「ZRS4:アクロン」のフックに試作複葉戦闘機カーチスXF9C1を着船させる実験に成功しました。
正式採用となったF9C2スパローホークは6機製造され、「アクロン」に搭載されました。1933年に「アクロン」が遭難したときはF9C2を搭載していなかったので姉妹船「ZRS5:メーコン」に搭載されました。
大型旅客用硬式飛行船の構想の一つに、その飛行船は整備のときにしか着陸せず、常時空中にあって乗客・乗員は小型飛行機で本船に行き来する計画もあります。
(写真は「アクロン」にフックオンするF9C2)

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