2010年07月11日

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飛行船四方山話(184):乗客用キャビン配置

LZ130_Cabin_1.jpg

旅客用飛行船のキャビンは何れも上下2段のツインであった・・

[区分]設計:室配置

[難易度]初級

[問題]
大型旅客用飛行船の乗客用キャビンに関する次の記述のうち、正しくないのはどれでしょうか?

1.「LZ127」の乗船客用キャビンはすべて外側(窓付き)であった。
2.新造時、「LZ129」の乗客用キャビンはすべて内側(窓なし)であった。
3.増設された「LZ129」の乗客用キャビンはすべて外側(窓付き)であった。
4.「LZ130」の乗船客用キャビンはすべて外側(窓付き)であった。

[答]

[解説]
「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」の乗客用キャビンはゴンドラ部分に設置されていました。
中心線上に通路があり、両側にキャビンがあったのですべての乗客用キャビンに窓がついていました。
「LZ129:ヒンデンブルク」では主船体にAデッキ、Bデッキが設けられ、Aデッキの両舷は展望窓から外が見える遊歩甲板(プロムナード・デッキ)となっていました。
その内側にダイニングルームやラウンジが設けられ、中心部分に4列に乗客用キャビンが配置されていました。
従ってどのキャビンにも窓はありません。
しかし就航した1936年の運航シーズンが終わったあと、殺到する乗船申し込みに対応するためにBデッキ右舷側後方に9室20人分の乗客用キャビンを増設しました。
この増設キャビンには何れも窓がありました。
「LZ130:グラーフ・ツェッペリン(Ⅱ)」は「LZ129」の同型船として建造中に「LZ129」の事故があり、工事は中断されました。
アメリカ議会がヘリウムを輸出することを認めた特例法を可決したので、「LZ130」はヘリウム船として設計変更され、工事が再開されましたが、ヘリウムは水素に較べて浮力が少ないので乗客定員は40名に減じられました。
このうち4室は右舷側の窓付きのデラックスルームになりました。
しかし、合衆国内務長官イッキーズがヘリウムの輸出許可を認めず「LZ130」も水素船として完成し、結局一般乗客を乗せて運航されることはありませんでした。

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