2010年07月04日
飛行船四方山話(180):「ヒンデンブルク」の客室
新造時の「ヒンデンブルク」の乗客用キャビン・・
[区分] 設計:乗客用キャビン
[難易度]初級
[問題]
「LZ129:ヒンデンブルク」の新造時、乗客用ツインキャビンは25室(50名)でした。
Aデッキのリング173からリング188までの中心線寄りに左右対称にアレンジされていたのですが、どうして奇数区画になっていたのでしょう?
1.1室を乗客のサービスを行うスチュワードの部屋に充てていた
2.1室分の区画にパントリー(配膳室)を設けていた
3.1室だけ、倍のスペースの特別室にしていた
4.1室分のスペースを客室区画のエントランスにしていた
[答]
2
[解説]
「LZ129:ヒンデンブルク」では「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」で実現出来なかったバー、読書室、喫煙室、ラウンジ、シャワー室、プロムナードなどの公室エリアを設けたほか、ツインキャビンには冷水と温水の配管されたシンクが設置されていました。
寝台には右舷外側船央寄りから前へ1〜14番までの7室、右舷内側は前から後方に15〜26番までの6室、左舷内側は前方へ27〜38番までの6室、左舷外側は39〜50番まで6室が並んでいました。
しかし、ちょうど左舷外側の中程、43/44番と45/46番のあいだのスペースはBデッキの厨房から料理を載せたリフトが設けられた配膳室になっていたので両舷で25室しか配置できなかったのです。
ちなみに、洋上船舶では右舷側の部屋番号を奇数番、左舷側を偶数番とするのですが「ヒンデンブルク」の場合はその規則に従っていません。
これは推測ですが、ボーイがメッセージやカードを部屋に届ける際に洋上船舶方式では間違えやすく効率が悪くなるためではないかと思います。
なお、1937年の運航シーズンが終わったあとで増設された9室(20名分)のキャビンはBデッキの右舷窓側に設けられたので船首側から51〜66番までがツインキャビン、一番奥のキャビンは2段ベッド2組の4人部屋でした。
この改造で、旅客定員は70名になりました。
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