2010年07月03日

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飛行船四方山話(179):「LZ120」と「LZ121」

LZ120_1.jpg

同型船と言われているが・・・

[区分] 設計:相違点

[難易度]初級

[問題]
「LZ121:ノルトシュテルン」は船体延長後の「LZ120:ボーデンゼー」と主要目が一致しており一般に同型船と言われていますが、両飛行船には相違点があります。
それは次のうち、どれでしょうか?

1.北欧航路を意図して「LZ121」には暖房設備があった
2.両飛行船のエンジン出力には違いがある
3.乗客用ゴンドラの窓枠の形状が異なる
4.乗客乗船口が「LZ120」は右舷側、「LZ121」は左舷側にある

[答]

[解説]
「LZ120」は第一次大戦後、短期間で開発されましたが、当初から定期航路用旅客飛行船として開発された初めての飛行船であり、流線型船体が採用され、操縦室と乗客用区画を一体として主船体下部に固定されるなど画期的な飛行船でした。
船尾エンジンゴンドラには2基のエンジンが搭載され、減速ギアで回転数をほぼ2:1に落として直径5.2メートルの2翅プロペラを駆動し、それぞれ直径3.2メートルの2翅プロペラを駆動する左右のエンジンと共に運転され、試運転では1基単独運転、2基並行運転、3基同時運転、4基同時運転それぞれに性能測定を行っています。
改造時に主船体が10メートル延長され、ガス容量は2万立方メートルから2千5百立方メートル増大しました。
「LZ121」は改造後の「LZ120」とほぼ同じであったと考えられますが、残された写真を見てすぐに判るのは乗客用ゴンドラの窓枠形状です。
「LZ120」では矩形であった乗客用ゴンドラ枠の上縁が、後の「LZ127」のように緩やかな曲線に変更されています。

LZ121_2a.jpg

この写真は、賠償としてフランスに引き渡されて「メディテラネ」となった「LZ121」です。


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