2010年06月22日
飛行船四方山話(168):アメリカの世界一周とドイツの世界一周
世界周航には2つの呼び方が存在した・・
[区分] 航行・世界周航
[難易度]初級
[問題]
「グラーフ・ツェッペリン」の世界周航は大口スポンサーであるハースト新聞の意向により、ニューヨークの自由の女神像を発着点と指定されました。
自由の女神像のまわりにスタート/ゴール・ラインを引くこともできないので、所要時間はレークハースト基地発着となります。
しかし、ドイツ人は母港フリードリッヒスハーフェンからフリードリッヒスハーフェンまでを世界周航と考えていました。
当時、これを「アメリカ人の世界周航」、「ドイツ人の世界周航」と言っていました。
所要時間の差は何時間くらいだったでしょうか??
1.同じコースだから所要時間はほぼ同じ
2.「ドイツ人の世界周航」の方が3時間くらい短かった
3.「アメリカ人の世界周航」の方が6時間くらい短かった
4.「アメリカ人の世界周航」の方が12時間くらい短かった
[答]
4
[解説]
1929年8月1日にフリードリッヒスハーフェンを離陸した「グラーフ・ツェッペリン」は、向かい風を受けながら航行しレークハーストに向かいました。
同地を8月7日の夕刻フリードリッヒスハーフェンに出発しましたが、このときは強い追い風になって8478kmを55時間19分掛かってフリードリッヒスハーフェンに到着しました。
あまり速かったのでベルリンから出迎えるためにフリードリッヒスハーフェンに向かった圓地記者は、途中飛行機から列車に乗り換えるシュトットガルトで「グラーフ・ツェッペリン」の着陸を聞いて落胆しています。
フリードリッヒスハーフェンから霞ヶ浦まで(11247km)を101時間49分、霞ヶ浦からロサンゼルスまで(9653km)を79時間3分、ロサンゼルスからレークハーストまで(4822km)を51時間57分で走破しました。
9月1日に帰途につきフリードリッヒスハーフェンへは67時間31分で到着しました。結局「アメリカ人の世界周航」は288時間8分、「ドイツ人の世界周航」は300時間20分を要したことになります。
中継基地で補給や整備をしているので延べ日数で数えると約20日の旅でした。
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