2010年06月15日

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飛行船四方山話(161):太平洋横断

Seeschiff_1.jpg

太平洋では50時間も霧や雲の中を航行した

[区分] 航行・世界周航

[難易度]中級

[問題]
世界周航で8月19日に霞ヶ浦に着陸し、23日の午後離陸した「グラーフ・ツェッペリン」は夏の太平洋を航行し日付変更線を越えて、24日を2度迎えました。
50時間も霧の中を航行し、天測も出来ないので推測で航行し、船位の把握に苦労していましたが、やっと海上を航行中の船舶に遭遇することが出来ました。
その船と位置の確認をしたときに推測していた船位とどのくらい離れていたでしょうか?
1.70キロメートル
2.170キロメートル
3.270キロメートル
4.370キロメートル

[答]

[解説]
23日に風のおさまるのを待って離陸したのですが、真夏の太平洋は湿度が高くところどころ低気圧も発生し、エコロットで時々高度を確認しながらまる2日も霧の中を航行しました。
海上を航行している船舶が見つかれば無線で位置を確認することが出来るのですがなかなか見つかりませんでした。
エッケナー博士の著書では日本船となっており、フォン・シラー船長は「カリフォルニア沿岸近くでドイツ船に出会った」と書いていますがこれは同船長の記憶違いだと思います。
昭和4年9月26日の神戸新聞に掲載された電通、白井同風記者のレポートによると『吾等が遭った唯一にして最初の船』で、同記者は操縦室の草鹿少佐がその船名を双眼鏡で『白辰丸』と読んだと報じています。
無線で情報交換したところ、推測していた船位と270キロメートルも離れていました。未知の海域で、おそらく潮流や風の偏流の推測誤差が積算したものと思われます。
飛行機では座席に固定されますが、飛行船ではサロンで会話やゲームを楽しんで過ごしたと述べています。
毎日、時差の補正はやっていましたが8月24日の夜、日付変更線を越えて翌朝再び24日を迎えたことは、幾人かの人にとっては受け入れがたいものであったようだとエッケナー博士は書いています。

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