(旧)紺碧の海

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エッケナースープ、レーマンカツレツ、シラーロール

• bremen
• 12:34
• カテゴリー:飛行船

ツェッペリン・マーチという曲が伯爵に献呈されたことがあったが、エッケナー博士にもマーチが捧げられたことがあった。
１９２４年１０月に「ＬＺ１２６：ＺＲⅢ」をアメリカに移送したときのことである。

１９２９年８月末、世界一周飛行で「ＬＺ１２７：グラーフ・ツェッペリン」が太平洋を渡って新大陸に着陸したときに、ロサンゼルスでハースト新聞主催の歓迎会が行われた。
このとき、一行はハリウッドの大スターと同席したが、そのときのメニューには「エッケナー・スープ」、「レーマン・カツレツ」、「シラー・ロール」などの料理やデザートが載っていた。

エッケナー博士は指令、レーマン船長、フォン・シラー船長は当直士官として同船に乗務していた。

このときは世界周航で最大のピンチであった。
昼夜の温度差のために着陸の際千立方メートルを超える浮揚ガスを放出したが、連絡の手違いでロサンゼルスには充分な量の水素ガスがなかったのである。

飛行船が重いので、エッケナー博士とフォン・シラー船長はパーティをそこそこに抜け出して露天に繋留されている飛行船の傍に戻っている。

結局、数名の乗組員を下船させて飛行機でレークハーストに行かせることになった。