2010年05月10日
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来年のカレンダー(10)
11月は、ユナイテッド・ステーツ・ラインの「リヴァイアサン」である。
この船はドイツ、ハンブルク・アメリカ・ライン(HAPAG)が第一次大戦直前に建造した3隻の大型客船の第2船「ファーターラント」の後身である。
第1船の予定船名は「オイローパ」であったが、皇帝ヴィルヘルム2世がこの巨船を見て非常に喜んだので「インペラトール」と命名されたと言われている。
第2船の「ファーターラント」は上部構造の中心線上を貫通していた煙路を両舷に分けて立ち上がらせ、ボートデッキで中心線上にまとめた。
このため、Bデッキ上にラウンジ・ロビー・ウィンターガーデンと広々としたスペースを設けることが出来た。
大戦が勃発したときニューヨークに在泊していた「ファーターラント」は中立国のアメリカで2年以上繋船されていた。1917年にアメリカが対独宣戦布告を行うと、同船はアメリカ海軍輸送船「リヴァイアサン」となりヨーロッパに向かう米軍将兵を乗せて大西洋を19回も往復している。ある航海では14000名以上の将兵を乗せたと言われている。
戦後、同船は設立されたユナイテッド・ステーツ・ラインが受託運航することになった。
アメリカのニューポート・ニューズ造船所で兵員輸送船から復旧する改造工事が行われることになったが、ドイツの造船所に図面を要求したところ100万ドルを要求してきたので、設計技師フランシス・ギブズは錆だらけになって船体を実測し数百枚の図面を書き上げたと言われている。
(ギブズは後に、アメリカでただ一隻ブルーリボンを勝ち得た高速客船「ユナイテッド・ステーツ」を設計している。)
このポスターには、世界最大の客船であることと、合衆国船舶局からユナイテッド・ステーツ・ラインが受託運航していることが記されている。
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