2010年04月11日
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しらうお
少し季節がずれてしまったが、中村憲吉の短歌である。
中村憲吉は、アララギ派のリーダーとして現代日本歌人の第一人者で短歌界の重鎮であった。
広島県双三郡布野村の出身で、晩年は尾道千光寺中腹で病を養っていたが、昭和9年5月5日に46歳で亡くなった。
この歌は、太田川が瀬戸内海に注ぐ江波で、春の到来を知らせるしらうおを歌ったものである。
以前は、そのあたりでも四つ手網でしらうおが採れたようで、本川岸に「山文」という表札を見たことがある。
当時は、網元の家かと思っていたが、季節にしらうおを食わせる料亭だったらしい。
この歌に詠まれているように、生きたしらうおをワイングラスのような器に入れて、酢醤油を垂らしてピチピチ跳ねるのを飲み込むのである。
人によっては「眼が会った」とか言って飲み込むことの出来ない人もいる。
「しらうお」と「しろうお」は違うらしいが詳しいことは知らない。
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