2010年03月26日
快適な旅とは?
日本政府観光局発表の統計によれば、昨年一年間に訪日した外国人は67万9千人、海外に出国した日本人は154万人を超えるという。
月平均で見れば、それぞれ5万人、12万人以上である。
その殆どがジェット旅客機を利用している。
現在運航されている、これらの旅客機は前後も左右も1メートル以下のスペースに押し込まれて、ヨーロッパまでは12時間前後座りっぱなしである。
これは拷問に近い苦行である。
第一次再選後、定期旅客便が開設された当時は短距離であった。
陸上機では太平洋どころか大西洋も横断することが出来ず、ドルニエ、シコルスキー、ショート・ブラザーズなど航空機メーカーが飛行艇を開発して渡洋飛行が可能となった。
1938年当時、パン・アメリカンのシコルスキーS42でサンフランシスコから香港まで行くには、経由地に寄航しつつ5泊6日を要した。
インペリアル航空でCクラスと呼ばれていたショート・エンパイアでサウザンプトンからインドまでは5日で、南アフリカへは8日、オーストラリアまでは片道12日掛かった。艇内にコーヒーやカクテルの楽しめるラウンジやプロムナードまで用意されでいたが、寄港地毎にホテルに宿泊し、そのホテルの宿泊費も食事も航空運賃に含まれていたという。
世界最初のエアラインは硬式飛行船「グラーフ・ツェッペリン」や「ヒンデンブルク」で南米・北米の定期便を運航したDELAGであった。
「グラーフ・ツェッペリン」は実用実験とデモンストレーションを兼ねたプロトタイプであったが、旅客用渡洋航路に周航するために乗客用個室、ダイニングを兼ねたサロン、それに狭いながらも厨房を備えていた。
座席に座りっぱなしで我慢出来るのは2〜3時間が限界であろう。
エアライナーが苦痛で、クルーズ船にしばらく乗っていたが、海に浮かぶレジャーランドを横柄とも思える添乗員に何もかもお任せでついて歩くツァー客が多いことに、ちょっと違うと感じて最近は敬遠している。
旅とは何か、その手段は如何にあるべきかを考えている。
そんな思いをメモに書きためているところである。
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