2010年02月17日

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大空への挑戦:ジェット機編

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プロペラ機編を読んで引き込まれたのでジェット機編を読んでいる。

内容は、ジェット機だけではない。
ハワード・ヒューズのスプルース・グーズも、ドルニエのDo-Xの話もある。

読んで心に残る書籍には著者の考え方、生き方、ものの見方が出ているものである。

記載内容については、すべて全く同感と言うわけでないのは当然であるが、著者なりの思想が読み取れる。

書籍を読むのは写真やデータのみを得るためだけではない。
むしろ、記載内容については別資料で確認することが必要である。

技術者のなかでも、真の意味で設計に携わった人の記述には、デザイン・フィロソフィーとかデザイン・ポリシーといわれる一貫したものが読み取れる。

航空機でも車両でも船舶でも、モノを新規に開発するときには目標・願望・狙いなど何かが基底となる。

実現しようとする対象を具現化するのが基本設計(計画)で、それを作り上げる手順を指示する図面や展開図・指示書は工作の一工程である。
後者も図面に展開され、生産設計などと呼ばれるので、一般にはその区別がつきにくい。
そういう意味で言えば、航空機メーカーや造船所の設計部門のうち、性能や仕様を決定するいわゆる基本設計に従事している人の数は1割か、せいぜい2割程度である。

それ以外の人達は、基本設計に基づいて構造材料を発注したり、それにマーキング・切断・接合するための切り代や溶接記号を記入したり、内装品・甲板機械・主機/補機・配管を手配し加工する図面を扱っているのである。

基本設計を担当するためには経験と時間が必要である。

造船設計部に入社した同期の新卒でも、機械工学科・電気工学科など、それに造船工学や船舶工学科卒でも艤装設計などは購入品を発注するので、1年もすれば担当者となるが、船舶の用途や航行海域に応じて要目など仕様を決定する基本設計では一人前にまるまでに3、4年は掛かる。

構造工学、流体工学、推進機関や艤装品、それに船舶の運用についても最小限の知識は必要になる。
そしてその船舶の建造目的に最適な設計を行い、船主や監督官庁を納得させる必要がある。
その建造目的も、高性能を狙う場合も原価を局限する場合もある。

そこに設計方針などの考え方が問われるのである。

この本は開発に携わった技術者の書いたものだけあって、内容に共感するところもあり、基本的な考え方を見直す機会にもなる。

2、3度読み直すことになるであろうと思っている。


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