2010年01月23日
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ブルーリボンの起点・終点
北大西洋横断速度記録を更新した定期旅客船はブルーリボン保持船として賞賛されていた。
しかし、これは如何なる学/協会やどこかの権威筋から授与された公式な賞ではなく、そのために様々な混乱が生じた。
「ノルマンディ」の速度記録を更新した「クィーン・メリー」の船主キュナードはヘイルズ賞を受賞しようとしなかったのはその例である。
定期航路に周航し、西航で北大西洋を横断することは不文律の条件の一つに挙げられていた。
しかし、アメリカ側の終点をニューヨークに決めたとしても、欧州側は英仏海峡から来るものや地中海からジブラルタルを抜けてくるものなど多様であるので、幾つかの基準点を設け、その間を走行する時間から平均速度が競われていた。
ブルーリボンを扱った書籍のなかで速度算定ポイントとして『シェルブール沖のビショップ岩礁』と言うのが出てくるが、ビショップ岩礁とは英国南部コーンウォール半島西端沖のシリー諸島のはずれであり、ルアーブルやシェルブールとは200マイル以上も離れているのである。
シェルブールやルアーブルを出航しニューヨークに向かう船が速度測定ポイントとしてこの沖を通過したのであろうがあまりにも遠すぎるのでこの様な表現に疑問を抱いている。
ドイツの客船史研究家アーノルド・クルダス氏の著書にも、イギリスの船舶史研究家トム・ヒューズ氏の著書にも、あまりにも当然のように書かれているが、ヒューズ氏の原書に各ポイント間距離表が出ているのを見つけたので各ポイントを調査している。
そのポイントにニューヨークのアンブローズ燈台船のような燈台船が外にも複数(バー燈台船、カニングベッグ燈台船など)載っているのが面白い。
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