2009年12月16日

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「LZ127」の完成予想報道

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1928(昭和3)年1月19日の大阪毎日新聞の記事を見つけた。

当時、建造中であった「LZ127」の完成を前にしたエッケナー博士の声明発表である。同船はツェッペリン伯爵90回目の誕生日に「グラーフ・ツェッペリン」と命名され、9月18日に初飛行している。

エッケナー博士は「今後4ヶ月以内に完成され、直ちに大西洋横断世界一周飛行をする予定である。」と発表していることに着目したい。

のちに博士の著述したものを見ると、大西洋往復のあとオリエント飛行などをしているうちに世界周航の気運が盛り上がってきたというくだりがある。

しかし、事前の新聞記事に寄れば、建造中から世界周航を目指していたことになる。
その声明によれば、ヨーロッパから西回りで、レークハースト、ロサンゼルス、シアトル、ウラジオストックを経てシベリア経由帰国するつもりだったように見える。
燃料補給所はロサンゼルス・シアトル・ウラジオストックの3個所を予定しており、所要日数は13、4日と想定していると発表している。
実際にこのコースを取っていたら貿易風、偏西風に逆らうので対地速度は大幅に削がれ、時間が掛かるばかりか成功は覚束無かったと思われる。
実は真っ先に大西洋を横断してニューヨークに行ったのは世界周航のスポンサー探しで、ハースト新聞社主ランドルフ・ハーストがレークハーストを起点・終点すると言う条件で独占報道権料を支払ってくれたので東回りと決定されたのであろう。

まだこの1月の時点では霞ヶ浦の格納庫が使用できるかどうか不明であったが、ボイレルレ技師を派遣して入庫可能を確認した上で、アメリカから燃料ガスを日本に送らせることが出来た。

古い新聞記事を見ていると面白い。
のちに「ヒンデンブルク」と命名される「LZ129」を「LZ128」と報じた記事もある。

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