2009年12月10日

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「グラーフ・ツェッペリン」世界周航時の乗船客(2)

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フランクフルト新聞(フランクフルター・ツァイトゥンク)の特派員、マックス・ガイセンヘイナーのキャビンは4号室で、昼間は折りたたまれている上の寝台が指定されていた。

同室はグスタフ・カウダ博士である。

カウダ博士は、ドイツの2大出版社のひとつ、ベルリン・ウルシュタイン社から派遣されていた。
園地記者の乗船記によれば、「グラーフ・ツェッペリン」が日本海側から渡島半島を越えて三陸海岸を南下しているとき「園地さん、こんな美しい景色をもっていながら、どこにもホテルの見あたらないのはどうしたことか。こんな景色はスイスにも南フランスにもない。こういう所こそ快適なるホテルとゴルフ・リンクを設けて世界に紹介しなければならない。」と言ったという。

ヨーロッパを出てから長時間、タイガやツンドラばかり見ていたので緑にあふれた東北地方が美しく見えたのであろう。

私もアフリカの大西洋岸からほぼ一ヶ月無寄港で航行を続け、紀伊水道(友ヶ島水道)から大阪湾に入って沖から神戸の街を見たときは美しい街並みだと感激した覚えがある。

フランクフルト新聞は、エッケナー博士がフリードリッヒスハーフェンに転地療養していたころ、ときどき記事を書いており、ツェッペリン飛行船第1号「LZ1」の第2回目の試験飛行もレポートしている。

世界一周飛行にあたって、アメリカのハースト新聞が独占報道権を認める見返りに15万ドルを支払うと申し入れてきたとき、ドイツの新聞社を排除することは出来ないとイギリス以外のヨーロッパを除外するというとハーストは10万ドルに減額したいきさつがある。

このとき、フランクフルト新聞は1人分の乗客料金2500ドルの半額でも支払えないと言ったといわれている。

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