2009年10月20日
未来の旅客用飛行船を考える(8) 以前建造された硬式飛行船の結末一覧(6)
(註:◎:解体、●:事故損失
この一覧は硬式飛行船の損失状況をマクロに見るためのものであり、航行空域や、乗務員などは表示していない。)
アメリカで建造された硬式飛行船一覧。
●「ZR1(Shenandoah)」:1923年初飛行。1925年9月3日暴風のため空中分解。
(「ZR2」:「R38」の項参照)
◎「ZRⅢ(LZ126:Los Angeles)」:1924年初飛行。1939年10月解体。
●「ZRS4:Akron」:1931年初飛行。1933年4月4日荒天のため墜落。
●「ZRS5:Macon」:1933年初飛行。1935年2月12日海上に墜落。
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アメリカは民間航空および対潜哨戒など軍用の両面で硬式飛行船に期待していた。
グッドイヤー社はツェッペリン飛行船製造社と合弁で、グッドイヤー・ツェッペリン社を設立し、ドイツからアルンシュタイン博士など13名を受け入れて、「ZRS4」、「ZRS5」を建造した。
アメリカで最初に建造した硬式飛行船は「ZR1」で、フイラデルフィア海軍航空廠で製造し、レークハーストで建造されたが、同船はドイツのハイトクライマー「L49」をプロトタイプにしたヘリウム船であった。
このため飛行中に突風で船体が3つに折れて墜落した。
なお、イギリスの官立飛行船工場に発注した「R38(予定船名ZR2)」はドイツのハイトクライマー「L70(LZ112)」をプロトタイプとして設計されており、試運転でハンバー川に墜落した際、アメリカ海軍の艤装員15名が同乗していて犠牲になっている。
ドイツのツェッペリン飛行船製造社が、第一次大戦の賠償として建造した「ZRⅢ」以外は就役後2年以内に喪失したため、米海軍は硬式飛行船の運用を断念し、それ以降は軟式飛行船を使用していた。
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