2009年04月07日

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飛行船四方山話(150): 「グラーフ・ツェッペリン(Ⅱ)」の喫煙室

LZ130_1.jpg

姉妹船「ヒンデンブルク」とは居住区の配置が変更されていた・・。

[区分] 基本設計・一般配置
[難易度]上級

[問題]
「LZ129:ヒンデンブルク」の喫煙室はBデッキ右舷前方にありましたが、同型の姉妹船「LZ130:グラーフ・ツェッペリン(Ⅱ)」の喫煙室はどこにあったでしょうか?

 1. 「ヒンデンブルク」とほぼ同じ配置
 2. Bデッキ左舷前方
 3. Aデッキ右舷前方
 4. Aデッキ左舷前方

LZ130Plan.jpg

[答] 4

[解説]
「LZ130」が建造中であった1937年5月に、姉妹船「LZ129:ヒンデンブルク」がレークハーストで爆発炎上したため、工事は中断となりました。
ツェッペリン社は、その前からアメリカにヘリウムの輸出を要請していました(LZ129/130はヘリウム船として設計されていたものです)。
「ヒンデンブルク」の事故のあと、合衆国大統領と議会は同年秋、特例法によりようやくヘリウムの輸出を承認したので「LZ130」は乗客定員を40名に減じて乗客区画を設計し直し、建造が再開されました。
ヘリウム船としての運航が期待されていたため「LZ130」の喫煙室は乗客キャビンやダイニングと同じAデッキの左舷舷側に配置されました。「ヒンデンブルク」の喫煙室に窓はなかったのですが「LZ130」では展望窓に沿って配置されました。

しかし、ヘリウムガスの精製・貯蔵や輸送の準備を整えても合衆国内務大臣イッキースはドイツ政府が戦争目的に利用する可能性を理由にその実施許可を取り消し、ヘリウム船としての運航は実現しませんでした。

挿絵はクラインハインスの著書からの転載ですが、"Rauchsalon" が喫煙室です。


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