2009年03月31日
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飛行船四方山話(143): シュッテ教授の大圏構造方式
シュッテ教授の独創的構造方式・・。
[区分] 基本設計・構造方式
[難易度]初級
[問題]
ヨハン・シュッテ教授が最初に設計した飛行船SL1で採用した大圏構造方式とはどのような構造でしょうか?
1. 船体輪切り方向に等間隔にフレームを並べた構造(横構造)
2. 横隔壁あるいは横桁の間に縦通材を配置する構造(縦構造)
3. 船体横断面上で対角線方向にビームを配置する方式
4. 船体を右巻きと左巻きの蔓で形成する構造方式
[答] 4
[解説]
船体構造方式には大きく分けて横構造と縦構造と呼ばれる方式があります。
横構造方式とは初期の鋼船に用いられた方式でフレーム(肋骨)を等間隔に配置してそれに外板を張る方式で、縦構造とは幅広く置かれた横桁間に縦通材を並べる方式です。
構造重量と加工工数を勘案してどちらかに決定されることが多いようです。
大圏構造方式とは大骨、小骨の区別なく右巻き、左巻きの螺旋状にフレームを廻す方式で構造として軽量になる利点がある反面、組立手順など工作面で対策が必要になります。
シュッテ教授は、シュッテ・ランツ飛行船の初号機で大圏構造を採用しましたが、「SL2」以降は縦通方式にしています。
英国ヴィッカース社のウォリス博士は爆撃機ウェリントンに大圏構造を採用しています。
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