2009年03月29日

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飛行船四方山話(141): ツェッペリン飛行船の骨組み

ルートヴィヒ・デューアの功績・・。

[区分] 基本設計・構造
[難易度]上級

[問題]
ルートヴィヒ・デューアはツェッペリン型硬式飛行船の設計・建造に大きな功績を残しましたが、その一つに特徴的な桁構造の開発がありましました。それは次のうちどれでしょうか?

 1. アルミ材を型材として使用した
 2. アルミ材を平らな組合せ桁として用いた
 3. アルミ材を三角断面桁材として組み合わせた
 4. アルミ材を管状に丸めて使用した。

LZ1girder.jpg
(コーベルの設計した「LZ1」の桁材)
LZ2girder.jpg
(デューアの設計した「LZ2」の桁材)

[答] 3

[解説]
ルートヴィヒ・デューアはシュトットガルトの高等工業に在学中、鉄道監査部や海軍工廠で実習していたところツェッペリン伯爵に招かれて「LZ1」の設計や建造を知りました。デューアが20歳の頃のことです。
卒業するとマンツェルで「LZ1」の建造に従事しました。
「LZ1」の建造に当たっては、リーディンガー気球製作所のコーベル技師と、ダイムラーのグロース技師が開発設計に当たっています。
ガス嚢はゴム引きした絹布が用いられ、外殻にはアルミニュームが用いられていました。シュヴァルツの飛行船にはアルミニュームが用いられましたが純アルミは軟らかいので「LZ1」のときは亜鉛との合金が用いられていました。デュラルミンが開発されるのは後のことでツェッペリンでは「LZ26」で初めて用いられています。
直径12メートル近い円筒型枠を作るためにグロースは2本の型材を結び合わせた平板の桁を作っています。
軟らかい構造なので伯爵は水上に組立工場兼用の格納庫を作り、湖面に引きだして発着させていました。
第2船「LZ2」以降、その後すべての飛行船の設計はデューアに託されました。
デューアは桁の剛性を上げるために型材を組み合わせて三角桁を考案しました。
その後ツェッペリン式飛行船にはこれに倣った組合せ桁が基本になっています。
(ちなみに、「LZ2」はアルゴイのキスレグに漂流しましたが、そこで地上に軟着陸しています)


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