2009年03月28日
*** 当ブログは2014年5月末に引っ越しました…新しい「紺碧の海」はこちらです ***
飛行船四方山話(140): グラーフ・ツェッペリンの空調
世界周航では北緯64度以北の上空を航行した・・。
[区分] 設備・居住区
[難易度]中級
[問題]
「グラーフ・ツェッペリン」のキャビンには暖房など空調はあったのでしょうか?
1. なし
2. 暖房のみ
3. 冷暖房
4. 一部のキャビンのみ
[答] 1
[解説]
「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」のキャビンには冷房も暖房もありませんでした。
ダイニング兼用のラウンジの一部に僅かに電熱器があったようです。
主発電プラントは船体内部に2基設置されていました。
ゴンドラ内にも緊急用のガソリン発電機がありました。
両舷に風力発電機があり、船速に関わりなく無線通信が行えるように蓄電池に充電されていました。1基は無線室用でもう一つは客室の照明と予備に使われていました。
厨房も電気オーブンですのでキャビンの空調に向ける余力はなかったのです。
1929年の3月末に行われたオリエントクルーズで、エッケナー博士は「乗客はクレタ島に着くまで冬のコートを脱がなかった」と記しています。
しかも世界周航でさえ、携行品は20kg以下に厳しく制限されていたのでシベリア上空は寒かったに違いありません。
それでもドラモンド・ヘイ女史は毎日違う衣装で頑張っていたと言われています。
(写真で、入り口の右厨房の上に見えるのが風力発電の風車です)
"飛行船四方山話(140): グラーフ・ツェッペリンの空調"へのコメントはまだありません。