2009年03月09日
飛行船四方山話(124): 第1回オリエント飛行のワインリスト
飛行船で飲むワイン・・。
[区分] 船内サービス・ワインリスト
[難易度]初級
[問題]
「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」の最初のオリエント飛行で用意されたワインリストには何種類くらいの飲料が載っていたでしょうか?
1. 8種類
2. 10種類
3. 12種類
4. 14種類
[答] 4
[解説]
1928年9月に初飛行を行い、10月に最初の訪米飛行を成功させた「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」でしたが、その後の運航の見通しは何も立っていませんでした。
それで飛行船旅行の広報とデモンストレーションのために企画されたのがオリエント飛行でした。商務大臣や帝国議会議長など政府の要人を招待して、今後の運営に協力し、あわよくば助成金などを期待したかもしれません。
1928〜9年のドイツは1月始めに零下18℃を記録するなど50年に一度の異常な寒波で、当初2月24日に予定していた出発を3月下旬に変更していますが、暖房のないキャビンの乗客はクレタ島までコートを脱がなかったと記されています。
この飛行ではコート・ダジュール、リビエラ、ローマ、エーゲ海などギリシャ、クレタ島を経てエジプト沿岸からエルサレム、死海、アドリア海からアルプスを越えてハンガリー、オーストリア上空を巡航し、ローマ上空からはムッソリーニと無線で挨拶を交換しています(1929年3月25日〜28日)。
この飛行では東地中海の遺跡を巡るつもりだったのですが、当時エジプトを支配していたイギリスは、R101を派遣する予定があったのでエジプト内陸への飛行は認めませんでした。
このため、1931年に第2回オリエント飛行が行われました。
第1回オリエント飛行のワインリストには白ワイン3種、赤ワイン2種、発泡ワイン2種、フォーティファイドワイン2種、リキュール5種、それにミネラルウォーターが載っています。
最初に載っているのは1921年もののリープフラオミルヒのアウスレーゼです。
ライン川上流のナーエ・ファルツ・ラインガウ・ラインヘッセンで生産される甘口の白ワインだそうです。
この飛行が特別だったわけではなく、翌月行われたスペイン一周飛行のワインリストでは更に2銘柄増やされています。
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