2009年02月17日
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飛行船四方山話(104): LZ120:ボーデンゼーのエンジン
[区分] (基本設計・原動機)
[難易度]中級
[問題]
第一次大戦後、急いで作られた「LZ120:ボーデンゼー」は小型ながら本格的旅客用飛行船として運航されていました。同船のエンジンは何基装備されていたでしょうか?
1. 3基
2. 4基
3. 新造時:3基、後日4基に改装
4. 新造時:4基、後日3基に改装
[答] 4
[解説]
「LZ120:ボーデンゼー」は第一次大戦直後に建造された硬式飛行船です。
第一次大戦末期の飛行船はガス容量6万立方mを越えていたので、連合国側は上限を3万立方mにすることで実用的飛行船は実現できないだろうと踏んでいたようです。
ところが「LZ120」はツェッペリン飛行船で初めて流線型船体を採用した本格的旅客用飛行船であるばかりか、航行速度も更新しました。
操縦室と乗客区画を含むゴンドラは船体に造り付けられ、3つのエンジンゴンドラのうち左右には245馬力のマイバッハ6気筒エンジンが各1基搭載されて推進式プロペラを駆動し、中央後部のエンジンゴンドラには同形式のエンジンが2基タンデムに結合され4翼のプロペラを駆動していました。
この状態の最高速度は時速133kmでしたが、航続距離を伸ばすために船尾のエンジンは1基撤去されました。それでも速度は時速127kmに低下しただけでした。
1919年8月20日に初飛行して、その4日後からフリードリッヒスハーフェンとベルリンの隔日往復を行いましたが、一週間前に満席になる盛況でした。
同年12月1日に連合国管理委員会の命令で停止されるまで僅かの期間に100回以上の飛行を行っています。
戦時賠償としてエッケナー博士たちによりイタリアに空輸され「エスペリア」と改名されています。
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