2009年02月13日

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飛行船四方山話(100): ドイツ以外の硬式飛行船(15)

ZRS5_1.jpg

アメリカの硬式飛行船(3)

[区分] 一般・歴史
[難易度]初級

[問題]
アメリカ海軍の哨戒用硬式飛行船ZRS5:メーコンには、姉妹船ZRS4:アクロンと同様、ほかの飛行船には見られない防御用の仕組みがありました。
それを次の項目の中から選んでください。

 1. 船体上部に機関銃座が設けられていた
 2. 複数の小型戦闘機を搭載していた
 3. 煙幕発生装置が備えてあった
 4. 外被に銃弾防御が施されていた。

F9C2_1.jpg

[答] 2

[解説]
アメリカ海軍の硬式飛行船 ZRS4:アクロンと ZRS5:メーコンには小型複葉戦闘機の格納庫が設けられ、3〜4機のカーチスF9C2スパローホークが搭載可能になっていました。
飛行船から小型飛行機を発進したり、フックなどで収容する実験はドイツでもイギリスでも試みられていましたが、アメリカ海軍では ZR3:ロサンゼルス(ツェッペリン製造番号:LZ126)で実験を繰り返し、発着用のフックと専用の小型戦闘機を開発してアクロンとメーコンに搭載することにしたのです。
これは標的としての投影面積が大きく、速度の遅い飛行船の防御用の仕組みでした。
日本海軍では、のちの伊号400型潜水艦に特殊爆撃機「晴嵐」を搭載したように複数の攻撃機を搭載した飛行船を計画したことがありますが、単なるアイデアで技術的にも予算的にも裏付けのある構想までには至っていません。

F9C2:スパローホークの場合、母船となる飛行船の中央下部に隠顕式発進/降着装置を備え、発進するときは母船の格納庫から搭乗員を乗せて吊り降ろし、戦闘機のエンジンで発進させ、収容するときは上翼上に固定したフックを降着装置に引っかけて釣り上げる仕組みでした。
同戦闘機には地上基地の滑走路でも発着できるように降着装置も当然装備されていました。
1935年2月12日、ZRS5:メーコンは破損して海上に墜落しましたが、このとき犠牲になったには2名だけで、そのほかの乗員は救助されました。

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