2009年02月05日
飛行船四方山話(92): ドイツ以外の硬式飛行船(7)
イギリスの硬式飛行船(6)
[区分] 一般・歴史
[難易度]中級
[問題]
イギリスは、本家ドイツより先に飛行船で北大西洋往復の快挙を達成しました。
その「R34」はビードモア社で建造されましたが、それと並行して建造された同型船「R33(G-FAAG)」を建造したのはどの会社でしょうか?
1. アームストロング・ホイットワース社
2. ウィリアム・ビードモア社
3. ショート・ブラザーズ社
4. 官営飛行船工場
[答] 1
[解説]
第一次大戦中の1916年9月24日、ノルトホルツ基地を発進してイギリス本土空襲に出撃した海軍飛行船「L33」(ツェッペリン製造番号:LZ76)はロンドン当方で英軍機に強制着陸させられました。
飛行船が敵の手に渡るのを阻止するために乗組員の手で火が付けられ全焼しましたが、英軍は同船を調査して、ドイツ設計のレプリカ船を3隻建造することに決めました。
それが「R33」、「R34」、「R35」の3隻です。
しかし「R35」は未完成のまま1919年にキャンセルされています。
「R33」はアームストロング社、「R34」はビードモア社が建造しました。
飛行船の全長は196m、最大直径は24m、ガス容量は55460立方mで、250馬力12気筒V型エンジンを5基装備していました。
1919年7月2日0142にスコットランドのイースト・フォーチュンを出発した「R34」にはジョージ・H・スコット船長以下30名が乗船していました。
同船は北大西洋を渡り、ニュー・ファンドランド上空を通過して、ニューヨーク州ロングアイランドのミネオラに7月6日1354に着陸しました。
所要時間は108時間あまりでした。
7月10日0354に同地を出発してイングランド、ノーフォークのプルハムに13日の0657に着陸しました。
「LZ126:ZRⅢ/ロサンゼルス」が大西洋を渡る5年前のことです。
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