2008年12月31日

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飛行船四方山話(56): ヒンデンブルクのグランドピアノ

Bluethner.jpg

[区分] 設備・搭載物
[級]  初級

[問題]
「LZ129:ヒンデンブルク」のラウンジ前端にはブリュートナーのグランドピアノが設置されていたことが良く知られています。
なぜ、このピアノが設置されたのでしょうか?

 1. 乗客に自由に弾いてもらうため
 2. 非番乗務員でピアノの弾ける者が旅の慰めのために演奏するため
 3. 豪華な飛行船であることを誇示するため
 4. 浮力調整のため

[答] 4

[解説]
LZ127:グラーフ・ツェッペリンは渡洋旅客飛行船のプロトタイプとして建造されました。その運用で確信をもってLZ128が計画されていましたが、アメリカが不活性ガス、ヘリウムを浮揚ガスに使用していたので、LZ128のプロジェクトを中止してヘリウム船LZ129を計画しました。水素の6倍もする高価なヘリウムを節約するために2重ガスセルを考案し、アメリカにヘリウムを輸出してくれるように交渉を重ねましたが、結局アメリカはヘリウムの輸出を認めませんでした。
やむなく、LZ129の浮揚ガスには水素が用いられることになりました。
ヘリウムより比重の低い水素を用いると浮力が過多になり、この過剰の浮力を補償するためにグランドピアノが搭載されることになったのです。

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写真はザムト船長の「ツェッペリンに捧げた我が人生」から
左から3人目の蝶ネクタイはレーマン船長

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