2008年12月12日
飛行船四方山話(37): 「レディ」とは誰か?
この四方山話ではイラストで答を示すことになることが多いのでイラストを移動させてみた。
[区分] 人物・レディ
[級] 初級
[問題]
ツェッペリン飛行船で「レディ」と言えば著名な個人名を指すことになっていました。
初めて大西洋を飛行船で横断したそのレディとは誰のことでしょう?
1.ヘラ・ブランデンシュタイン=ツェッペリン伯爵夫人
2.ロッテ・エッケナー
3.グレース・マーガレット・ヘイ・ドラモンド=ヘイ女史
4.ヴィクトリア・ルイゼ
[答] 3
[解説]
ツェッペリン飛行船でレディと言えば、米ハースト新聞の特派員であったヘイ・ドラモンド=ヘイ女史のことです。
イギリス外務省高官の未亡人であったが、北アフリカで仕事をしていた頃、ハースト社のヴィーガント氏と知り合い、記者になりたいと押しかけて同社の記者になったそうです。「グラーフ・ツェッペリン」には最初の訪米飛行からヴィーガント氏と乗り込み、飛行船で大西洋を横断した最初の女性となっただけでなく、飛行船で世界一周を果たした唯1人の女性となっています。
世界周航で食事の際の彼女の席は、エッケナー博士のいわゆるキャプテンズテーブルで、同席者は極地探検家のウィルキンス卿、米海軍飛行船隊司令ローゼンダール中佐、大富豪の相続人ウィリアム・リーズ氏、スペイン国王の主治医ヘロニモ・メヒアス博士でした。
エッケナー博士もすっかり気に入って、飛行船の取材には彼女を指名した程であったと言われています。
1930年に開設された「グラーフ・ツェッペリン」の南米航路第一便にも招待されて乗船しており、同船の主要な飛行には乗船していたようです。
蓄音機でジャズを鳴らしてダンスパーティで踊ったことなど彼女の逸話は沢山あります。
ヘラ・ブランデンシュタイン=ツェッペリン伯爵夫人は、フェルディナンド・ツェッペリン伯爵の一人娘です。
彼女は日本に滞在したフィリップ・シーボルトの孫であるアレクサンダー・シーボルトと結婚し、その孫のコンスタンティン・フォン・ブランデンシュタイ=ツェッペリン氏がシーボルト協会会長を務められています。
ロッテ・エッケナー女史は、フーゴー・エッケナー博士の長女で写真家になりました。
オーバーアマガウなどの写真集が出版されています。
ヴィクトリア・ルイゼは飛行船LZ11につけられた名前ですが、ホーエンツォルレン家の王女の名前です。
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