2008年11月26日
飛行船四方山話(21):エッケナー博士が初めて見た飛行船
飛行船研究家のクラインハインス博士も間違って書いている有名な話・・・。
[区分] 人物・エッケナー博士
[級] 初級
[問題]
エッケナー博士は、ツェッペリン伯爵の後継者として名船「グラーフ・ツェッペリン」などを建造させ、運航した人物として知られていますが、彼がツェッペリン飛行船を初めて見たのは次のうち、どれでしょう?
1.1900年 7月 2日(飛行船:LZ1の最初の飛行)
2.1900年10月17日(飛行船:LZ1の2度目の飛行)
3.1906年 1月17日(飛行船:LZ2のキスレグ不時着)
4.1910年 4月25日(飛行船:LZ4のエヒターディンゲンにおける炎上)
[答] 2
[解説]
エッケナー博士はフランクフルター・ツァイトゥンクの通信員としてフリードリッヒスハーフェン近郊マンツェルで行われたLZ1の2回目の飛行を観察して、レポートを届けています。
同紙は第1回の飛行にはフランクフルトから特派員を送ってレポートしていますが、2度目は近くに住んでいて、ときどき投稿していたエッケナー博士に打診したのです。
エッケナー博士はベルリン、ミュンヘン、ライプツィヒなどで研究生活をしていましたが招集されて兵役を除隊後、右膝の関節炎を悪化させフリードリッヒスハーフェンで転地療養をしていました。
第1回飛行のときはバルト海でヨットを楽しんでいたと言っています。
その後、数年経過してLZ2が浮揚したものの操縦不能になってアルゴイのキスレグまで漂流し、そこで不時着したときも自動車で現地に行っています。
その状況を新聞に載せたところ、それを見てツェッペリン伯爵がシルクハット姿でエッケナー邸を訪ねて来たとエッケナー博士は書いています。
これが2人の初対面でした。
エヒターディンゲンで不時着したLZ4は、成功作と見なされており、陸軍の採用条件である24時間連続飛行と水上ではなく地上への着地をしようとしてエンジントラブルで不時着したのです。
このとき、自然発生的に「伯爵を助けよう」とドイツ全土から寄付金が寄せられ、その基金でツェッペリン飛行船製造社と、運航会社のDELAGが設立されました。
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