2008年11月23日
飛行船四方山話(18):郵便業務
初級ばかりなので中級には少し甘いけれど
[区分] 業務・郵便業務
[級] 中級
[問題]
ツェッペリン飛行船は、世界一周飛行、南米定期便など世界を結んで快適な旅客運送業務を展開したことはよく知られていますが、郵便事業でも多くの貢献をしています。
ツェッペリン飛行船が行っていなかった郵便事業はどのようなものでしょうか?
次のうちから選んでください。
1.郵嚢運送業務の受託運送
2.船上で受付、消印業務を行う郵便局機能
3.離島への郵嚢の投下
4.郵便切手の発行
[答] 4
[解説]
ツェッペリン飛行船では郵嚢の受託運送や僻地、離島などへの郵嚢の投下を行っていたほか、船上で郵便物を受け付けて、消印を押して発送していました。
このため、乗船している新聞記者のレポートや、乗客が船上で書いた葉書や手紙は、船上で受け付けて消印を押して宛先に届けられています。
新たに訪れる訪問地や記念すべき大飛行の都度消印が用意されていました。
多くの消印には訪問地の著名な建造物や風景、地図、民族衣装など様々な図柄が描かれており、絵はがきと共に郵趣愛好家のコレクションの対象になっています。
航空郵便料金の設定による財政的な貢献は大きかったのですが、郵便切手の発行は各国とも郵政当局の事業です。
1929年の世界周航の際も、郵便業務の収入は非常に大きかったと言われています。
1931年の北極飛行はフランツ・ヨーゼフ・ランド沖に待機していたロシアの砕氷船マリギンに切手蒐集家から届いた郵便物650ポンドを手渡し、270ポンドの郵嚢を受け取っています。このとき、グラーフ・ツェッペリンに乗りたかったウンベルト・ノビレは郵嚢を載せた舶載艇に乗り込んで飛行船に近づいたのですが、極地での天候の急変をおそれて急いで浮揚したため、飛行船に乗船して温かい飲み物で歓待するという話は実現することはありませんでした。
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