2008年11月17日

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飛行船四方山話(12):水上格納庫

LZ10menu_part.jpg

さらに初級の問題

[区分] 設備・格納庫
[級]  初級

[問題]
ツェッペリンの初期の飛行船LZ1、LZ2、LZ3は水上格納庫で組み立てられました。
その後 LZ4、LZ5はマンツェルの陸上格納庫で、LZ7以降はフリードリッヒスハーフェンに新設した工場で建設されています(LZ6についてはマンツェル説とフリードリッヒスハーフェン説があります)。
ツェッペリン伯爵は、なぜ水上格納庫で飛行船を運用しようとしたのでしょうか。

 1.風向きにより自由に向きを変えられることと、飛行船の構造が柔構造で
   地上に着地すると破損のおそれがあったから
 2.自由に設置場所を変更できたから
 3.船舶で運ばれた飛行船の構造部材やエンジンの受け取りが容易だったから
 4.当初、陸上に格納庫を建設する土地がなかったから

[答] 1

[解説]
飛行船は風圧側面積が大きいので、風によって向きを変えます。
また、ツェッペリン伯爵は、飛行船をアルミニュームのフレームで外形を整えた気球と考えていたので地上に軟着陸することが難しいと考えていました。
その2点から水上で運用することを考えていたようです。
しかし、2番船「LZ2」が浮揚したあと操船不能になり、アルゴイのキスレグまで漂流したときにうまく着地させることが出来ました。
最初で最後のこの飛行で着地したあと、「LZ2」は強風にあおられて復旧不能な損傷を受けて解体されました。
軍部が「LZ4」を引き取る条件として、24時間連続飛行と地上への安全な着陸を提示したことからも同じことを考えていたと推察出来ます。
「LZ1」を組み立てた水上格納庫は解体されたため、「LZ2」と「LZ3」は新たに建設された水上格納庫で組み立てられ、次の「LZ4」と「LZ5」はマンツェルの湖畔に建てられた格納庫で組み立てられました。
「LZ7」以降はフリードリッヒスハーフェンの街の長老に勧誘されて建設したフリードリッヒスハーフェンの工場で建設されました。

飛行船は横風に弱いので、後年ターンテーブルに載せた回転可能な陸上格納庫も建設されています。

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挿絵は「LZ10:シュヴァーベン」のメニューから部分転載したもの


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