2008年11月13日

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飛行船四方山話(8):ヒンデンブルクのサービス

ModelLounge.jpg

今回も易しいところから・・・。

[区分] 船内サービス・乗客区画
[級]  初級

[問題]
「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」では出来なかったサービスで、「LZ129:ヒンデンブルク」で実現できた乗客へのサービスが幾つかあります。
次の4項目のうち、行われていなかったものはどれでしょう?

 1.キャビンに冷水と温水の供給
 2.バーと喫煙室の設置
 3.シャワー・ルームの設置
 4.ルームサービス


[答] 4

[解説]
「グラーフ・ツェッペリン」は、フーゴー・エッケナー博士等関係者が国内を講演してまわり、それで集まったツェッペリン・エッケナー基金で建造されました。
エッケナー博士は各地をまわって100回以上を行ったと書いています。
建造の主目的は、飛行船による旅客を乗せた渡洋飛行のデモンストレーションと、当時あまり良く知られていなかった海洋気象調査、それに本格的長距離旅客定期空路の実証試験でした。
それで、人数は多くなくても個室キャビンや洗面所、ダイニングルームなどを設けて、食事メニューのほか、ワイン・メニューも用意していました。
それでも操縦室の後ろに電熱器による厨房やサロン兼ダイニングを設け、その後方両舷に2段ベッドのキャビンを5室ずつ設けるのが限界で、その後方は洗面所とトイレ、後端は乗組員の洗面所になっていました(乗組員は乗客の区画を通行することなく、梯子で主船体の通路を使用していました)。
世界一周飛行などでは、シャワーが使用できないことと船内禁煙が辛かったようです(指令であるエッケナー博士はヘヴィースモーカーでした)。
それで「ヒンデンブルク」ではAデッキ中央部に乗客用ツインキャビンを25室設け、左舷側には長さ15mのダイニング、右舷側にはピアノを置いたラウンジと読み書き用のスペースを設け、その外側は洋上客船のようなプロムナードデッキを作りました。
プロムナードデッキのパノラマ・ウィンドウは航行中に解放されることもありました。
その一層下のBデッキ左舷側後方にはバー、その奥に喫煙室が設けられました。
バーに行くまでの展望通路の内側にはトイレが並んでいました。
右舷側にはシャワールーム、クルーのメスルーム、厨房があり奥は士官のメスルームになってました。
料理は厨房からリフトでAデッキの配膳室に上げられました。
しかし、ルームサービスが行われたという記録は見たことがありません。

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写真は昨年、フリードリッヒスハーフェンで撮影した実物大部分模型である。


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