2008年11月09日

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飛行船四方山話(4):スマートなグラーフ・ツェッペリン

LZ127PC007.jpg

入門編の第4弾は硬式飛行船の外観形状である。

[区分] 基本設計(外観形状)
[級]  初級

[問題]
飛行船主船体の長さと最大直径の比など、太さ細さを示す割合をファインネスレシオと言います。
「LZ129:ヒンデンブルク」のファインネスレシオは約6.0でした。
「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」のファインネスレシオは下に示す値のうち、最も近い数値はどれでしょうか?

  1. 約5.6
  2. 約5.9
  3. 約6.3
  4. 約7.8

[答] 4

[解説]
「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」を建造するときに、ツェッペリン飛行船製造社のフリードリッヒスハーフェンにあった建造用格納庫は、1914年に建造された長さ192m、幅32m、高さ28mの第2格納庫と、その翌年に建造された長さ235m、幅40m、高さ35mの第3格納庫しかありませんでした。
ここで容積10万立方mの大型飛行船を建造するために、設計主任のルートヴィヒ・デューアは最大直径を30.5mに押さえ、長さを限界一杯まで延ばした主船体を設計しました。
船体の下に操縦室と乗客区画を取り付けると建造用格納庫の天井につかえるため、主船体前部に埋め込むように取り付けることにしました。
このため、「グラーフ・ツェッペリン」は外観上、とてもスマートに仕上がりました。

「LZ129:ヒンデンブルク」は1932年に建造された新しい建造用格納庫で建造されています。
「ヒンデンブルク」は当初 全長247.05mとして基本設計されたのですが寄港地であるレークハーストの格納庫の寸法から2m短縮され、245.05mとして完成しました。

ツェッペリンとグッドイヤーの合弁会社、グッドイヤー・ツェッペリンで建造された「ZRS4:アクロン」と姉妹船「ZRS5:メーコン」のファインネスレシオは「ヒンデンブルク」とほぼ同じ5.9で、ツェッペリン社が第一次大戦の賠償として新造して米海軍に納入した「LZ126:ZRⅢ(ロサンゼルス)」は約6.3でした。

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