2008年10月07日
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LZ120「ボーデンゼー」とLZ121「ノルトシュテルン」
今日、ペーター・クラインハインス教授の著書「LZ120『ボーデンゼー』とLZ121『ノルトシュテルン』」が手許に届いた。
9月29日に手配して、12月2日までに届けると連絡を貰っていた。
船便ではなく航空郵便にしてくれたからこんなに早く届いたのである。
「ヴェルサイユ条約の影で消えた飛行船」と副題がついている。
表紙にはマイバッハ社のポスターが使われている。
フリードリッヒスハーフェンのボーデン湖岸に建つ、シュロスキルヒェの双塔のシルエットの傍に満月が沈みつつあり、そこに小型飛行船ボーデンゼーが帰ってきている。
下の文は「旅客用飛行船ボーデンゼーにはマイバッハエンジンが搭載されている」と説明している。
この本はクラインハインス教授が亡くなる2年前にフリードリッヒスハーフェンで発行されている。
小型のペーパーバックながら内容の充実した本である。
まえがきに次の7章が続く。
1.1918/1919年、兵器は沈黙し、希望が芽生える
2.LZ120ボーデンゼーが完成した
3.ボーデンゼーの定期旅客運航(1919年秋)
4.1920年。高揚と苦悶
5.ヴェルサイユ条約によるドイツ飛行船の引き渡し
6.イタリアのエスペリアとなったLZ120ボーデンゼー(1921−1928)
7.飛行船史におけるボーデンゼーの軌跡
さらに1919年のボーデンゼーの途中着陸を含む全航程などの付録、写真やデータの出典や人名索引などクラインハインス教授ならではの記述が続く。
貴重な写真や図版も多く、特に戦時賠償として引き渡されてからの珍しい写真は注目に値する。
特に大戦終了直後、連合国側が方針を決定する前にLZ120を建造した経緯や、幻の大西洋横断飛行船LZ125のイラストは貴重である。
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